活動報告・レポート
2020年2月12日(水)
中国人観光客の迎え方
中国人観光客の迎え方
中国人観光客の財布を開く80の方法

「中国人観光客の財布を開く80の方法」の著者である岡部佳子さんと懇談する機会をいただきました。爆買いの時期は終わろうとしているように団体客から個人客へと変わってきています。約1億人と言われている富裕層から、その次の約3億人から4億人のクラスの人が個人客として訪れている現状があることを話してくれました。これらの方々は飛びつくような買い物はしないで、日本で自分の欲しいものを購入します。品質の良いもの、美味しいもの、健康管理に資するものなど、日本人と同じような感覚でお迎えすべきだそうです。ですから品質やサービスレベルも一流を求めますし、当然ですが支払い方法は携帯決済が主流です。携帯決済の準備が整っていることが、観光客に来てもらうために最低限必要なことです。

現在、上海の人口は約2億4千万人だと聞きました。人口は増加するばかりなので、所得もサービスレベルも、快適性も日本を凌駕しているところもあるようです。

中国と日本は勿論のこと外国の国とは、当然、文化の違いがあります。文化の違いを埋められない差だと思うのか、理解し合えるものだと思うのかによって対応が違ってきます。埋められないと思うのは、日本の考え方が全て正しいと思っているので、相手を受け入れる素養がないことにつながります。

文化の違いがあることを感じたら、日本の文化を教えることで相手は理解してくれますから、コミュニケ―ションを図ることが、インバウンドのお客さんを迎えるための基本となります。

例えばビジネスの場面における違いを伝えてくれました。

書類を綴じる時、パンチで穴をあけますが、中国では中心を揃えて綴じる習慣がないので、穴の位置は綴じる中心に来ないことがあります。それは文化の違いであって中国人の仕事がずさんな訳ではないそうです。そんな時「日本では、パンチで穴をあける時、書類の中心をパンチの矢印のところにセットして穴をあけます。そうすれば書類はきちんと揃って綴じることかできます。その方が綴じた書類を見る場合、見やすいでしょう」と教えることで、日本文化、日本流の仕事を理解してくれますから、それ以降はきちんと綴じてくれるようになります。誰でも同じですが「知らないことはできない」のです。

サービス提供のやり方も違いますし、言葉の使い方も違います。その違いは文化の違いであって、どちらが優れているだとか劣っているという違いではないことを理解して接するべきだということです。

「郷に入れば郷に従え」と言いますが、国の文化、習慣を教えなければ、郷に従うことはできないのです。

現在、新型コロナウイルスの問題から中国からの観光客は減少していますが、やがて回復する時期が訪れると思います。今回のことで中国は、日本からのマスクや衛生商品の提供などの対応に感謝していると聞きました。再び観光客が訪れる時がやってきます。その時に備えて、両国の文化の違いを埋める考え方と取り組みを考えておきたいものです。民間の経済活動はこれからも続いていくのですから。

講演
COP25を含む国際情勢と我が国の課題の講演

「COP25を含む国際情勢と我が国の課題」の講演を聞かせてもらいました。講師は東京大学公共政策大学院の有馬純教授で、「欧州における環境至上主義の高まり」と「日本はどう対応すべきか」について解説してくれました。

アメリカがパリ協定を離脱した理由の一つは次の考え方に基づくものです。

アメリカのアプローチは、グローバルなエネルギーミックスの現実を取り入れたものであり、化石燃料、原子力、再生可能エネルギーを含め、全てのエネルギー源、技術をクリーンに効率的に活用しようと考えています。国際的な気候議論において、イノベーションと開かれた市場が更なる繁栄、排出削減、より確実なエネルギー供給につながるとの実績に裏打ちされた現実的なモデルを提供しようとしています。

報道などから知らされていた離脱の理由と少し違う視点になっています。

中国の取り組みについて次のような事実があります。

世界で建設中の石炭火力の72パーセントに中国が関与していますが批判はありません。中国にとっての都合の良いシナリオが描かれています。それは日本の石炭火力輸出が制限され、アジアの石炭火力市場を独占しようとしています。また日本で原子力再稼働が遅れ、石炭火力を放棄することでエネルギーコストが上昇し、日本の国際競争力が低下していきます。

日本は再生可能エネルギーと他のエネルギーのどちらを選択するかを命題にしているようですが、安全保障上、どちらも必要なエネルギーであることを認識しないといけません。既存のエネルギーを放棄してしまうと経済力、競争力は低下することは必然です。

チャンシク・コンサート
チャンシク・コンサート

和歌山市内において、僕の同級生が企画したチャンシクのコンサートが開催されました。この同級生とは幼稚園から高校まで一緒で長い付き合いです。現在は東京在住、教育の仕事をしていますが、ご縁があったことから歌手チャンシクが活動するための事務所を設立して芸能活動を行っています。日本でデビューしてから既に東京、名古屋、大阪などでコンサートを行っていますが、今回、初めて和歌山市内でコンサートを開催してくれました。

同級生が「故郷で歌って欲しいと思ったこと、故郷を盛り上げたいと思ったこと。そして和歌山市と済州島の友好につながることを目指して、和歌山市でコンサートを企画した」というものです。故郷を思う気持ちを強く感じますし、チャンシクも同級生とのご縁から、和歌山県を第二の故郷と思ってくれています。

このご縁を大切につないで、時々、和歌山県でコンサートの機会を作ってくれることを期待しています。それにしても、この同級生の行動力には感心しています。