活動報告・レポート
2020年2月7日(金)
北方領土返還要求和歌山県民大会
北方領土返還要求和歌山県民大会
北方領土返還要求和歌山県民大会

和歌山県紀の川市貴志川町で開催された「第39回北方領土返還要求和歌山県民大会」に参加しました。北方領土はわが国固有の領土であり1855年2月7日に日本とロシアで日魯通好条約を締結し、当時、自然に成立していた択捉島とウルップ島との間の国境をそのまま確認し、それ以降、外国の領土になったことがない歴史があると聞きました。

しかし1945年8月9日、当時のソ連が、当時有効であった日ソ中立条約に違反して対日参戦し、日本がポツダム宣言を受諾した後の同年8月28日から9月5日までの間に北方四島のすべてを占領しました。その後ソ連は1946年に北方四島を自国に編入し、当時四島に住んでいた全ての日本人を強制退去させています。それ以降、法的根拠のない占拠が続いていて北方領土問題が存在することから、日本とロシアの間に平和条約は締結されない状態が続いています。

参考までに、ロシアは大戦終結の日を1945年9月2日と認識しているようですから、わが国と認識が異なっていることも食い違いとなっています。

この問題についてこの大会において、防衛研究所の兵頭慎治氏が「激動する東アジアと日露関係の行方」と題して講演をしてくれました。

北方領土返還要求和歌山県民大会

昨今のプーチン大統領の発言から、「選択肢の一つとして2島返還はあり得る」と考えていることを話してくれました。但し、日ロ平和条約締結と同時に行われるものになると予想しています。その時期に関して、プーチン大統領は67歳であり残りの任期を考えると合意に向けた動きはないとも言えないと予想しています。大統領の任期を終えた後も影響力を保つためには日ロ平和条約を自分の時代に締結しておきたいと考えることは不自然ではないということです。

またプーチン大統領がこれまでの日本への経済協力の要請から、両国の歴史認識と安全保障を重視していることも関係しているようです。中国の経済規模はロシアの約7倍になっていることから、中国との関係だけを強化しても、経済力の違いから中国に従う関係になる懸念があり、それを防ぐためにも東アジアとの関係強化を目指す方向に向いているということです。東アジアの国とはインド、ベトナム、そして日本などが挙げられます。東アジアの国との安全保障環境を維持することが対中国、対アメリカとの関係で重要視しているようです。

その鍵を握っているのは、プーチン大統領が信頼を寄せるパトルシェフロシア安全保障会議書記であり、日本側は北村滋国家安全保障局長ではないかと見ているようです。北方領土の返還については、「鍵を握る今後の動向に注目です」と話してくれました。

北方領土返還要求和歌山県民大会

大会の最後に「大会宣言」を行いました。

「北方領土問題の解決なくして日ロ両国間に相互理解に基づく恒久的平和と友好親善の安定的な関係の確立はないことから、政府においては強い意思をもってロシアとの交渉を進め、解決に向けた具体的成果を得られることを期待する」旨の決議を行いました。

領土問題は私たちが関心を持ち続けなければ解決することは困難な問題です。意思を継続させるためにこの「和歌山県民大会」を毎年、県内各地で開催しています。関心を持たなくなれば解決の道は絶たれますから、今後とも継続した取り組みを話し合い、この大会を終えました。

追記。わが国の領土問題は言うまでもなく、ロシア、中国、そして韓国との問題を抱えています。これらの国との間の領土問題を忘れることなく、今後とも問題解決に向けた取り組みの継続が必要です。

その他

和歌山大学経済学部後援会支部の役員会議に参加しました。令和2年度の体制と活動について話し合いました。本年度は大学と生徒からの要望に基づき、大学内のトイレ設置などの支援を行っています。支部予算の制約がありますが、今後とも現役学生の支援につながる活動を行うことを話し合いました。