ローカル線地域の活性化を目指して協議会を開催しました。
全国的にそうですが、鉄道のローカル線地域は活気が失われているところが多く、活性化対策が必要だと考えています。鉄道事業者に任せるのではなく、地方自治体や地元の私達で考えなければなりません。鉄道会社だけが地域を担っている訳ではないからです。県や市町、そして地元の人たち全てが関わっています。
和歌山県におけるローカル線の駅中心とした地域の活性化を目指して、今日参加した全員でアイデアを出し合いました。いずれアイデアの選択、予算措置、制約条件の打破が求められますが、今日はアイデアを出して話し合いました。全国レベルになるような具体的アイデアや、和歌山県特有のアイデアも提案され、「これが実現できたら活性化につながると思いますし、実現しなかったとしても関係者が集まって協議を行ったことで、次につながることや得られるものがあります。鉄道事業なので法的規制や制約条件は厳しいのですが、小さなことからでもブレイクスルーさせたいと考えています。
全国からお客さんを呼び込める列車の運行、世界中からお客さんを呼び込める企画、駅舎の活用をする方法、地域全体に観光のお客さんに来てもらうしくみなど具体的に協議を行いました。
提案された全ての企画が楽しくて、良い企画だったと感じています。「これは無理、これも無理」と議論の途中で諦めてしまうよりも、「実現の可能性があれば、契約条項や運行基準を調べましょう」となる方が議論は楽しくなります。
他の県の集客の事例ですが、次のようなものが参考になります。
スターバックスコーヒー道後温泉駅舎店。駅舎そのものをスターバックスにしています。
これは伊予鉄道道後温泉駅の駅舎を活用したもので、駅舎そのものをスターバックスとして出店しているものです。この駅舎を訪れようと、観光客、鉄道ファンやスターバックスファンなどがここを訪れています。
この時の報道資料で次のような理念を伝えてくれています。
「スターバックスは、地域との繋がりを大切にしながら、常にお客様の期待を上回る『驚き』と『楽しみ』を提供するために、様々な出店や商品の展開をしてまいりました。私たちはこれからも、ミッションである『人々の心を豊かで活力あるものにするために−ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから』を大切にし、常に新しいスタイルや商品、そして体験を提供してまいります」
ローカル駅、無人駅の活用の参考になる事例です。
JR東日本が北三陸で走らせている列車が「東北エモーション」です。三陸の復興支援と地域活性化を目的に、八戸線の八戸〜久慈間を運行しています。予約が取れない程の人気列車となっています。
「ここでしか食べられない駅弁。ここでしか買えないもの」をローカル駅舎で販売すること。列車に乗車して来てもらうことを目指すなら「ここだけで味わえる体験」となります。
和歌山県の紀南地域には、南紀白浜空港国際線ターミナル設置、民間ロケット射場の立地、関西独立リーグ「ファイティングバーズ」があること。
そして何よりも世界文化遺産の「熊野古道」があります。もう令和2年になってまで言うこともありませんが、「熊野古道」は日本最大級の外国人向け日本情報サイト「ガイジンポット」で2020年に外国人が訪れるべき日本の観光地ランキングで、1位に選ばれています。
これらの観光につながる資源を生かすためには、鉄道、公共交通の整備とアイデアが必要だと思います。何も対策を講じなければ現状から更に低迷していきますし、対策を講じた場合、ローカルがグローバルになります。和歌山県として、どちらを選択するのか考えて行動する時期に差し掛かっています。