活動報告・レポート
2020年2月2日(日)
お客さまは神様か
お客さまは神様か

日本のサービスレベルはとても高いと思います。お客さんへの対応、言葉遣いなどの接客は世界一だと思います。他の国で日本と同じレベルのサービスを期待しても、それを感じたことはありませんから、やはり日本は凄い国だと思います。携帯ショップに立ち寄りましたが、待つ時間を感じさせないように時々「お待たせして申し訳ございません。あと〇〇分ぐらいでお呼びできると思います」などの気配りをしてくれますし、案内のやり方や窓口での対応など、本当に素晴らしいと思います。

私達はこの高いサービスレベルに慣れていますから、少しでも流れが悪いと苦情になることが多発しています。社会問題になっているカスタマー・ハラスメントがそれです。わが国では「お客さんは神様です」の言葉が普遍性を持っていますが、この言葉の本意は「お金を支払って舞台に来てくれている人のことをお客さん」と呼んだことだそうです。つまり全ての人がお客さんと表現したのではなくて「今この私のステージに来てくれている皆さんがお客さんであり、私にとっての神様です」という意味だと聞きました。

つまりお店とお客さんとの間には契約行為がありますから、一方にだけ履行責任があるのではなくて双方に守るべきことがあります。契約関係が成立しているのは信頼関係に基づくことなので、お客さんが高圧的な態度や罵声を浴びせるのであれば、契約関係は成立しないことにもなります。ただ商品やサービスを提供する立場にあるものは会社の看板を背負っているので、お客さんには言えないこともあるのです。個人の責任と会社の責任を比較すると会社の責任は重く、一人の従業員の発言や態度が会社全体の評判に影響することがあります。

お客さんの立場にある人は、相手が反論できないことを知っているので、一方的、つまりハラスメントに発展していくことがあるのです。お互いが気持ちの良い場面の中にいることを心掛けたら、一方的な発言にはならないと思います。

会社の看板があることを良いことに、背負っていない立場だからと言って無理な注文を言い続ける行為は避けたいと思います。私達は日本人としての品格、人格、生き様を背負っているのですから。

永遠のお別れ

お別れとは辛いものです。これまで何度も永遠のお別れをしてきましたが、年下の人が先立つことは更に辛いものです。彼が新入社員で入ってきた時に教育担当をしていたこともあり、今日までの成長を楽しく見ていたのですが、突然の別れが訪れるとは思ってもいませんでした。

彼が入ってきた時の上司はとても厳しい人でしたから、「会社とは、仕事とは厳しいものだ」と相当教えられたと思います。同じ職場で仕事をして、共にその指導を成長につなげる経験をした仲間なので、この別れを表現する言葉はありません。

彼が新入社員の時から約30年が経過していると思いますが、30年もの間、重要な仕事を任せられ、それを成長につなげてきた道のりを思うと、その知識と経験、人脈、そして仲間とのご縁がこの世でなくなることは、余りにも辛いことです。これから更に経験を生かせる年齢になり、この世の発展へと導くことのできる人物だっただけに残念でなりません。

ただ僕から見える彼は、いつも新入社員の時と同じ風貌であり言葉遣いをしてくれました。成長を遂げ変わっているけれど変わっていないように見える。そんなできた人物でした。今まさに、彼にしかできないような重要な仕事を任されていました。不安もストレスも感じていたと思いますが、彼に任せたら大丈夫だと誰もが確信していました。

そんな彼と共に仕事をしてきたこと。共に成長を遂げられたこと。そして頼もしい後輩であったこと。誇りに思います。先週の水曜日の夜、彼の名前が僕のパソコンの画面に表示されていました。その時、「あれ、おかしいな。何かのメッセージだろうか」と思いましたが、その日の夜、救急車で運ばれていたのです。パソコンに表示された名前は、彼からのお別れのメッセージだったと思います。

今はただ、心からご冥福をお祈りしています。安らかにお眠り下さい。