今朝から先輩であり信頼関係にもある方と懇談の場を持ちました。信頼関係に基づいた話は結果を導きますが、そうでなければ争いを導きます。
誤解の多くは直接話をしていないことに起因していると思います。間接的に聞こえてくる話、本質を理解していない人が介した話に乗ってしまうと、余計に関係がこじれてしまうことがあります。困った時は直接話をするに限ります。
もうひとつ。公式な場でお互いの考えをぶつけ合うと摩擦が生じることがあります。日本に限らず事前準備、根回しは大事なことで、それをしないで公式な場に挑むことは対立構造を生んでしまい兼ねません。公式な場でこじれてしまうと、話し合えば理解し合える内容のことでも、解決に導くことが難しくなります。人はプライドを持っていますし、振り上げたこぶしを下すにはきっかけがいるからです。しかもお互いの顔が立つような解決方法が必要になるからです。これは結構難しいことですし、時間と労力を要することになります。何よりも、解決するために動いてくれる人の時間を拘束してしまうのです。
自分の知らないところで動いてくれる人がいることが分かれば、自己中心の考え方になれないのですが、どうしても自分の利益を最大にしたいと人は思うものです。利益を最大化しようと思って行動するのが経済界における人間ですから仕方ありません。でもその価値を他人との関係の中に必要以上に持ち込むと軋轢が生じますから、相手の立場も考えて対応する必要があります。
何故なら、今を自分の利益で満たしたとしても、将来、失う利益が発生することになるからです。世の中は最終的にバランスが取れるものですから、一方が得をして一方が損をするような落ち着きどころにはならないのです。
もし問題解決に当たって不満が残るようなら、その場で意見を述べること。それをしないのであれば後で文句を言わないことです。対立することで利益を拡大することはできません。将来的に利益を増やそうと思うなら協力し合うことです。特に日本人は対立よりも協力することを美徳としてきた歴史があります。それが日本人の良いところであり、争いの多い世界に誇れる価値なのです。
神話だと言ってしまえば身もふたもないことですが、神武天皇が東方遠征をしたのは、平和の国を築くことを目指したからです。そのため高天原から大和の国に至る行程は、相当長期間を要しています。それぞれの地域で争いのないように、道中、人々に稲作を教えながら東を目指したのです。これが日本の歴史であり、日本人の行動の価値であり、そして世界に誇れる文化であり価値なのです。
対立よりも協力すること、お互いに理解し合える関係を目指したいものです。それが次につながることです。
伝統のある組織や伝統を継承する人は変化に挑みますが、伝統のない組織は変化に抵抗することがあります。それは伝統がないので継続する方法を知らないからで、時代が変わっているのに同じことを続けていれば安泰だと思っているからです。
道は曲がりくねっていますから真っすぐに進めば安泰ではありません。変化に対応することが安泰の道のりです。ただ時代の大きな流れを個人で見抜くことは難しいことです。多くの人の意見を聞く、立場のあるリーダーの話を聞く、考え方の幅を広げるなどをして時代の流れを感じ取り、自分の考えや小さなことに固執しないことが大事だと思います。
多くの人に受け入れられない小さな考えに基づいた行動は、自分の立場を弱めるだけです。譲れない考えがある場合は公式の場で意見を言うことが大事なことですが、もし大多数の意見が自分の意見と違って自分の意見が通らなければ、その決定に従うことも必要なことです。それが民主主義というものです。
公式な場で意見を言わない、そして公式決定に従わないようであれば、立場は厳しくなると思います。
話をしていて楽しい時間があります。そんな話し合いは建設的なものなので、それなら大歓迎です。