南紀白浜空港を運営してくれている株式会社経営共創基盤の冨山和彦CEOが和歌山県に来てくれました。今回は同空港の運営にも触れながら、「AI革命時代のローカル企業の経営」について話を聞かせてもらいました。冨山さんは和歌山県生まれで、本年度から南紀白浜空港の運営を行ってくれています。運営会社は「南紀白浜エアポート」で、同社の岡田社長には空港運営に留まらず広く南紀全体の地域活性化にも尽力をいただいています。
その岡田社長を和歌山県に送り出してくれた冨山CEOが来県されると聞いて、是非、話を伺いたいと思い今日を迎えました。伺った話を個人の解釈と考え方によって以下にまとめました。
まず平成元年の出来事を振り返ってくれました。30年前に起きた世界的な出来事は、ベルリンの壁の崩壊と天安門事件です。このふたつは歴史上の大きな出来事であり、かつ現代に大きな影響を与えているものです。天安門事件は国家資本主義のスタートになった出来事で、この時から現代中国資本主義が動き出しています。あの時に現代の中国がこれほどまでに経済大国になると予想できませんでしたが、この民主化の動きが歴史の転換期になったようです。
またベルリンの壁の崩壊は破壊的イノベーションの波が拡大したことを意味していますし、この波は現代に波及し続けています。グローバリゼーションとデジタル化に至る今日のスタート地点ともいえる年が1989年でした。
そして日本はバブル経済が崩壊したのがこの年です。世界がグローバル化の進展を見せた年にわが国はバブル経済が崩壊し、その後、失われた20年と言われる年月を数えることになります。
失われた20年の間に世界はグローバル経済とデジタル化の波に乗り、破壊的革新によって世界の流れが大きく揺らぎ動いてきました。その波に乗り切れなかったわが国は構造改革を進めてる最中だと言えます。
日本が必要としているものは労働生産性を向上させることに尽きます。労働生産性が低下していることが事業を拡大できない原因となり続けています。しかしこの問題は高齢化と人口減少に影響を受けているもので、簡単に改善できる問題ではありません。必要な労働力が不足しているからです。
地域内に限れば競争よりも協調すべきです。小さな地域内で競争をしていても生産性は上がらないばかりか下がることも考えられます。それよりも共に発展する方法を目指すべきで、協調することで全体の力が上がり競争力が高まることも考えられます。地域力を高めるためには、地道な取り組みを延々と続けること以外にありません。知恵を働かせて地域力を高めて欲しいところです。
現在において労働生産性を高めるためには、新しい技術にコストを掛けないこと、特殊な人材を求めないことです。現在は安価なソフトやしくみがありますからそれを活用すること。そして特殊な技術や知識を持った人でなければ扱えない仕事は不必要です。誰でも扱えるように仕事を改善する必要があります。それがコスト削減と生産性の向上につながります。
こんな話が聞けることは同社が和歌山県に進出してくれたお陰だと思います。人材がいる地域、人材が来てくれる地域には将来性があると感じました。南紀白浜空港は東京からビジネスや観光に活用されている和歌山県にとって欠かせない空港ですが、今日の話を聞いて、更に発展の可能性が潜んでいると感じました。ハードは大切ですが、ハード整備を生かすためには人材が不可欠です。
令和2年最初の「チーム片桐」の会合を開催し、今年の活動について話し合いました。また今年最初の企画として、和歌山市在住の北田ようすけさんのミニライブを行いました。北田さんのライブは初めてでしたが、懐かしい歌をアレンジして演奏してくれました。
今年も和歌山市を拠点にライブを企画、実行して市を盛り上げたいと考えています。今年もライブ開催によって、和歌山市を熱く盛り上げていきます。