活動報告・レポート
2020年1月22日(水)
伝説のコマーシャル
伝説のコマーシャル

不祥事が発生した時の企業広報は大切です。アメリカにおけるパブリック・リレーションズの考え方について話を聞かせてもらいました。PRはマイナスを一気に引き戻すことを狙いとしています。企業で不祥事が起きると忽ちマイナスイメージが付きますが、それを元に戻すばかりか元の地点よりも引き上げようとするものです。

ですから不祥事を起こした当該経営者や社員は責任を取るべきですが、それ以外の人は委縮しなくても良いのです。悪いのは不祥事を起こした本人と、責任を取るべき立場の人、例えば経営者で良いのですから。

かつて、ファンヒーターで火災を起こしたメーカーがあったそうです。バッシングを浴びる中、コマーシャルの自粛や営業活動の自粛を検討していたそうです。しかしテレビのコマーシャル枠を確保していたので、自粛しないで「火災を引き起こしたお詫びと、製品の取り扱いについて」コマーシャル枠を使って放送したそうです。

そうしたところお客さんに真摯にお詫びをして向き合う企業の姿勢が評価され、バッシングは消えイメージが回復に向かったそうです。それどころか、そのメーカーの電気製品が売れ始め、その期の決算は過去最高を記録したのです。

マイナスを一気に引き上げたPR方法を使ったこの手法を業界では「伝説のコマーシャル」と呼ばれることになったと聞きました。

このPRの考えを提案した社員は素晴らしいのですが、その案を採用した経営者も素晴らしいと思います。不祥事を後ろ向きに考えるのではなく、前向きにPRの機会と捉えてこのコマーシャルを打ち出した企業姿勢は、当時大きく評価されたそうです。

「伝説のコマーシャル」と言われていますが、その当時は「伝説」ではなく「伝説を目指したもの」でもなく、マイナスイメージを打破することを目指した賭けだったかも知れません。しかし社会情勢やお客さんの動向を調査した上でのこのPRは「真摯な企業姿勢」として社会に受け入れられ、後に「伝説」になったのです。

伝説は作るものではなく、後に社会から評価されて伝説になります。委縮思考では伝説になり得る方法を打つことはできません。マイナスを一気に引き上げるPR方法を考えることも大切なことだと思います。

故郷の偉人の手紙

陸奥宗光元外務大臣の手紙が、和歌山大学の紀州経済史文化史研究所から新たに見つかったことの報道がありました。故郷の偉人のこの貴重な手紙の発見があったことを嬉しく思います。

この手紙は和歌山大学の前身である和歌山師範学校で保管されていたもので、紀州経済史文化史研究所が受け継いだ近世の未整理の史料群に含まれるもののひとつだそうです。

手紙の内容は報道された記事から引用します。

「手紙は明治25年1月21日付けのものと推定され、当時の粉河村、現在の紀の川市から選出された衆議院議員の児玉仲児に対し、中央政府から和歌山県知事に赴任したばかりの沖守固の陣営に陸奥が接触を持ち、県の内務部長に県政運営を相談するよう働きかけたことが書かれている」内容だそうです。

また文面の中には「新しく知事になった人物はかねてからの知人で、才能ある人物だ」だとか「県政のことは秋山(県の役人)に相談し意見を聞くように言い含めておいた」など記されているようです。これ以上詳しい内容は分からないのでコメントする立場にないのですが、陸奥宗光伯が中央にいても故郷和歌山県を思っての手紙だと思います。世の中は、人が動くことで何かが動いていきます。特に有力者の意思が示されることで物事が動くことがありますから、故郷の偉人が政府でも有力な立場にいたことを示す資料のように感じます。薩長の色合いが強い当時の政府において実力を発揮していたカミソリ大臣の手腕を頼もしく感じています。

令和2年6月以降に展示、公開されるように報道されているので、外交史料展に続く陸奥宗光伯の資料が公開されることを楽しみにしています。

ご苦労様会

今月60歳の定年を迎える方のご苦労様会が開催されました。お世話になったことから出席しました。長年のご苦労に感謝すると共に、60歳はまだまだこれからの年齢なので、引き続き社会で活躍することを願っての会となりました。会を盛り上げるために幹事さんがゲームを用意してくれたお陰もあり、会は大いに盛り上がりました。楽しい企画をしてくれた皆さんに感謝しています。