ホームページを見てくれた方から「和歌山市にチュニジア大使が来てくれたのですか。凄いことですね」と問い合わせをいただきました。チュニジア大使が来てくれることの価値を理解してくれる方からの意見を嬉しく思います。これを契機として人的交流、経済交流につながることが期待できるからです。
特に国の発展を考えるなら、産品の輸出入、人材育成面での協力など、お互いが求めているものがありますから、大使が来てくれたことによって和歌山県がその機会を得られることになります。地元の企業にとって今ない市場に進出できるチャンスですから、好機と捉えた展開を進めたいところです。
「訪問してもらってそれで終わり」となるようでは、大使が来てくれた意味がなくなります。そのために知事、和歌山市長と懇談を行い、商工会議所を訪問したのです。ラグビーのパスをつなぐように、次のプレイヤーにパスを回せることを考えています。
導入のヒントとして、日本人はチュニジアの歴史、建国に至る物語を知らないと思います。同様にチュニジアの人は日本の歴史、建国の物語を知らないと思います。どんな国なのか、どんな歴史があるのかを知らないと、その国に興味を持てません。
ですから和歌山県の歴史と日本の成り立ちについて、チュニジア大使に伝えたいと思います。
丁度、令和2年が日本書紀編纂1300年の年になりますから、わが国の成り立ちを知ってもらえる絶好の機会となります。和歌山市には建国に関係のある竈山神社があります。チュニジアには世界遺産であるカルタゴの遺跡があります。共に建国に関わる歴史を持っていますから、文化交流につながるものです。経済、人的交流と共に文化交流もお互いの理解のために大切なことなので関係性を考えてみます。
神奈川県知事の考え方は素晴らしいという意見をいただきました。その意見の基になったのが、湘南市で開催された知事と青年会議所の方との対話の内容です。この対話のテーマは「マグネット力でスマイル〜湘南地域の魅力について考える〜」となっています。この対話の一部を引用して紹介します。
地域の魅力を伝える観光についての知事の発言です。
マグネットという言葉を、私は使っています。マグネットというのは磁石。磁石で引きつけると言ったら、その土地のマグネットです。その土地に行きたくなるという、そういう流れをつくりたい。その土地に行きたくなるというと何ですかと言ったら、その土地らしさが見えてくるということです。それをどんどん見せていきたいなと思っているわけです。
例えば大磯。なかなか出てくるという形にならなかったのですが、やっと火がついてきました。キーワードは明治150年、大磯をその拠点にしようというのが出てきた。
大磯には旧吉田茂邸だけではなくて、明治の元勲たちの家が並んでいるのです。大隈重信や陸奥宗光、伊藤博文、みんなの家があるわけです。これはすごいではないかと、これ全部、きれいに残しているところと、崩れかけのところがあるけれども、それをきれいに再生したら、明治元勲通りになるのではないかという話だった。
その話が、いろいろな紆余曲折もありましたが、明治150年の記念事業にしていこうという動きになったので、これは大変なことになります。
そうすると、ああいう明治の新しい時代を創った人たち、総理大臣たちは、東京から離れて大磯で重要な会議をやっていて、大磯というのはそういう場所だったという個性が立ってくると、そこに行きたくなるでしょう。そういう地域の魅力を立てていこうとしているわけです。
そうすれば、いろいろなところに着地型観光として、いろいろなものがあるだろう。例えば、大磯みたいな大きな話ではなくても、商店街もそうでしょうという話をしているわけです。地域ごとに、「ここはこんな物語があって、ここはおもしろいんだぞ」と話してくれればおもしろい。
ストーリーがわかるとおもしろい。ただ単に景色だけだと、見て、「あ、これ」というだけだが、物語がわかるとおもしろくなる。それはやはり地元の皆さんの言葉で語って発信していくということが大事ではないかと私は思います。
地域資源の整備とそれを生かした観光について触れています。現存しているものを大切にして観光資源に活用できるように整備を行うこと。それが偉人の生きた印ですから、整備をして公開すれば地域の誇りになります。こんな取り組みを実行している神奈川県を羨ましく思いますが、和歌山県にできないことはありません。物語を蘇らせた観光の取り組みを発展させたいと考えています。