午前6時30分から開催されたモーニングセミナーに参加しました。今回の講師は久野潤先生で「東京オリンピックと日本書紀編纂1300年」の話を聞かせてもらいました。令和2年は日本書紀編纂1300年の節目の年になることを知っているので、改めて日本書紀につい学びたいと思い参加したものです。日本書紀はわが国最古の正史を記した書物で現代に至る日本の原点にあります。正史を知らないで国を語ることはできませんから、学びの機会となりました。
書物による伝達がない時代、歴史は人から人へと、その地域の中で語り継がれてきました。人から人へと伝えられた歴史をまとめて編纂されたものが日本書紀です。ですから日本書紀より以前の書物はなく、全て語り継がれた歴史が記されたものです。
ですから日本書紀は架空の話でなく、その当時の人達が親や年長者から聞いた歴史を語り継いできたものを編纂したもので日本の正史なのです。文字による記述がないものを正史としない考えの人もいますが、嘘や何もないことを語り継ぐ人はいないと思います。
人として、事実でないことを後々に語り継ぐようなことはしないと考えるのが自然です。特に日本書紀は隣国の歴史も含めて客観的に記されているので、作り話と捉えることが不自然です。
さて昭和15年、1940年に東京がオリンピック開催地になっていた歴史があります。日中戦争によってこの時の東京オリンピックは中止となり、幻のオリンピックとなったので忘れ去られていることです。この年は紀元2600年の年に当たり、日本にとって節目の年にオリンピックを開催しようと誘致を行い、候補地として選ばれたものだそうです。
ですから昭和15年は、神武天皇を祀った橿原神宮が現在の姿になり、全国の陵墓も整備されたそうです。それまでは古墳は天皇のお墓だと言われながらも放置された状態にあり、この時に陵墓として整備されたことは紀元2600年の一大事業だったそうです。
また日本書紀編纂1200年の年は大正2年で、東京大学と京都大学では記念式典が挙行されたそうです。正史を知ることで国の平安が保たれており、平和を維持しようとすることにつながったそうです。人は紛争のない歴史を知ることで、これまで続いてきた平和を維持しようと思います。もし紛争にまみれた歴史があれば、やはり戦争の歴史を繰り返そうと思うかも知れません。人は過去に学び真似ようとするからです。
令和2年が日本書紀編纂1300年の年となりますから、今年は記念式典やこの国の歴史を知る機会と捉えて欲しいと思います。過去を知ることで、歴史を知ることで未来を続けることができますが、過去も歴史も知ることなく未来を創ることはできません。2680年も続いて来た国が歴史を否定して、次の時代を築くことはできないことは誰でも分かることだと思います。それは歴史と先祖を大事にしない国が繁栄することはないからです。
基を知ることは大事なことだと思います。基がなければ今がない訳ですから。1300年前に編纂された日本書紀はわが国の基となる正史であり、これを根拠のない偽物だというのであれば、何がこの国の基になっているというのでしょうか。基のない国、基が分からない国なんてありません。国の成立も分からないのであれば、世界から尊敬される国にはなりません。正史があるから尊ばれるのです。
神武天皇は実在していなかったという説もありますが、神武天皇は在位している時はその名を名乗っていなかったので「神武」の名前は出てこないということだそうです。
日本書紀編纂1300年を迎えたことから、これを学びたとい思っていた時に久野先生の講義を受けることができた幸運に感謝しています。
僕から先生には次のことを伝えました。
- 毎年、春秋に竈山神社の清掃を行っています。言うまでもなく彦五瀬命を祀っている神社で、日本書紀編纂1300年のお祝いに相応しい神社だと考えています。お祝いの式典なども検討しているのでお知恵をお借りしたいこと。
- 竈山神社では彦五瀬命の命日5月8日に雄誥祭が開催されています。僕は毎年、参加していますが、節目の年に久野先生も参加してくれると有り難いと伝えました。
- 竈山神社の北側には竈山墓があります。宮内庁が管理しているもので和歌山県内には竈山墓と高野山の二か所あります。二か所も宮内庁が管理している墓所があるのが和歌山県なので、わが国の歴史上重要な県だと言えます。