製造と販売をしている会社社長と懇談した時の話です。「最近は携帯決済の比率が見えるように増えてきました。多くのお客さんが携帯決済を使用しています」と話してくれました。これは若い人だけではなく、年齢を重ねた方も使っていることを伝えてくれました。和歌山市内でも普及し始めているように思います。お店にとっての利点は、決済に要する手数料が無料だということと、決済後10日後に入金されることです。
これは現金収入に近い感覚があるもので、「クレジットカードよりもお店にとって有利だと思います」ということです。確かに、和歌山市内でも携帯決済が使えるお店が増えてきたように感じましたが、お客さんが使える環境が整ってきたようです。
92歳の経営者とお会いして懇談の時間をいただきました。僕が訪ねてくることを楽しみに待ってくれていて事務所に到着した時、直ぐに出迎えてくれました。社長は「31日まで仕事です」 と笑顔で話してくれたように働くことが大好きな方です。
年明けの予定を聞いたところ、「1月1日だけお休みをして2日から仕事です」と答えてくれました。本当に仕事が生き甲斐のような方だと思いました。
何しろ現役で70年以上も働いていますから、当初から勤務していた従業員さんが定年を迎えて退職しているほどです。
「最近は特に働き方は大きく変わりました。バブルの時、商品は飛ぶように売れました。今は財布のひもが固いので、お客さんは来てくれていますが単価が低くなっているので売り上げは落ちています。店舗はお客さんが来てくれているので賑わっているようですが、売り上げと利益が低下している傾向にあります。来年の戦略として、今の商品を基準として、新しく単価を高く設定した商品も発売しようと考えています。
店舗の賃料は変わらないのですが売り上げが落ちているため、商品単価の高いものを取り扱おうと考えています。ただ路線の変更は常連さんにどう影響するのか検討する必要がありますから慎重に考えています。是非、アドバイスを頂けたらと思います」と話してくれました。
約1時間、懇談の時間を取らせていただき、来年の方向性を見出しました。3年計画で売り上げを増やすことを考え、その先に関しては社会情勢を伺いながら計画を練り直すことを考えることにしました。
社長からは「片桐さんと会って話をすると元気になります」と話してくれましたが、元気をいただいているのは僕の方です。90歳を超えて現役の社長で、毎日、全ての店舗に顔を出しているのですから、できることではありません。
「現在、働く人が不足しているので人件費は時間当たり1,000円以上に設定していますし、休憩時間の確保や休みのローテーションを組んでいます。働かないように勤務シフトを考える時代は初めてです」と話してくれました。
人件費が増え、働く時間を減少させ、売り上げを増やす方法を考えなければならない時代にあって「経営する側にとっては大変です」ということです。幸い、この会社の従業員さん達は挨拶が丁寧で笑顔で接してくれます。そして気配りができるので、お客さんからの印象は良いと思います。
今、社長が見据えているのは7年後の会社のことです。99歳の時にどんな会社になっているのかを考えて経営方針を打ち出しています。生涯現役の考え方に接し、やはり会って元気をいただきました。
飲食関係者との意見交換会に招待をいただきました。12月も押し迫り、忘年会は先週からピークを迎えています。「和歌山県の食材は日本一」なので和歌山県では「おいしい和歌山」を全国に発信しているところです。食材と料理は良いので、外食に出てくる人、通りを歩く人を増やしたいと思って取り組みを進めていますが、対策はまだまだこれからの段階です。
あるお店では「残念なことに9月から11月までは赤字でした。飲食は波がありますから仕方ないと割り切って12月は頑張っています」と話してくれました。
外食費の落ち込みは、10月からの消費税増税も影響していると思いますから、12月を契機に弾みをつけたいところです。通りを歩く人を増やす対策として、JR和歌山駅や南海和歌山市駅と中心地を結ぶ方法があります。駅からウインドーショッピングなどを楽しみながら歩いて来ることができれば、もっと賑わいを創出することができると思いますが、街の構造はそうなっていないのです。飲食街と両駅を、例え心理的な面だけでもつなぐ方法がないか考えています。
飲食店が元気な街は活力がありますから、もっと夜の飲食店を盛り上げたいと思います。