福祉法人の作業所を訪ねたところ、施設長が対応してくれたので、懇談と施設内を見て回りました。この作業所で働く人達の職場での心構えやシクラメンの話などを伺いました。
雨の日、事務所内、作業所内、廊下などは傘やカッパなどの水滴が零れることがあります。会社であれば誰も気にしないと思いますが、作業所はそうはいきません。少しでも水滴が廊下などに零れていると、杖をついて歩く人にとっては大変危険な環境になっているのです。水滴のあるところに杖をついてしまうと滑ってしまうので、転倒の恐れがあります。障がいのある人にとって転倒は思っている以上に危険なのです。
だから朝、出勤してきて、廊下などの水滴に気付いた人が拭き取る作業を行います。当番や担当を決めているのではなくて、気付いた人が水滴を拭きとることを当たり前の行為として職場に浸透させています。安全な行為は一部の人が築くのではなく、職場の全員で安全文化を築いているのです。障がい者も健常者も関係ないことです。
車いすを利用している人にとって少しの段差でも危険が潜んでいる場所になります。私達は車いすのタイヤは大きいので、少しぐらいの段差は乗り越えられると錯覚しています。注意深く車いすを見てみると、前のタイヤは小さく、後ろのタイヤが大きいのです。
当たり前のことですが、小さなタイヤは小さな段差でも引っ掛かります。段差に引っかかってしまうと車いすを利用している人は前に飛び出してしまうのです。
少しの段差でも、車いすを利用している人にとって危険な場所だと認識する必要があります。
ここでは小さな段差などの危険個所を無くしていますし、それ以外の危険個所を感じ取る視点を持って職場環境を作っています。
この作業所ができて運営を開始した後の26年前、お祝いにシクラメンの花の寄贈がありました。このシクラメンの花は植え替えされ続け、今も元気な姿を職場のみんなに見せています。作業所のシンボルのような存在となっています。
この作業所のシクラメンの花が植えられている場所に、理事長からの感謝状が飾られています。
これは理事長が創業以来ずっときれいな花を咲かせてくれていることに感動し、「頑張って咲いてくれている」ことに感謝の気持ちを込めて感謝状を贈ったものです。理事長の気持ちが作業所内に満ちていますし、訪れる人も感動させています。
この作業所を応援している企業の社長が訪れた時、この感謝状に気付き「何と素晴らしい心を持った人が働いている職場なんでしょう」と感動した話が聞こえました。作業所を見守り続けているシクラメンは、今日も安全作業を続けている職場の皆さんの心を和ませています。
友人達との懇親会に参加しました。今年一年を振り返り、来年の抱負などの話を交わしました。あと一週間で今年が終わりますから、それぞれ新しい年にやりたいことを描いているようです。
そしてお店の方から「クリスマスに来てくれたことへのプレゼントです」と言ってケーキを差し入れしてくれました。こんな心遣いができるお店だから、いつもお客さんでいっぱいだと思いました。
一人の店員さんが「私はこのお店にお客さんとして来たのです。その時、オーナーの心配りが素晴らしくて『こんなにお客さんに接している、お客さんが喜んでくれるお店で働きたいな』と思いました。直ぐに働きたいと思って店員募集に応募したのです。3カ月後、採用の連絡があり働くことになりました。お客さんが喜んでくれることを目指したオーナーの考え方は当時と変わらないので、働き甲斐がありますしお客さんの笑顔に接することができている毎日を楽しく過ごしています」と話してくれました。
店員さんから素敵な話を聞かせてもらいました。このお店の雰囲気とサービスの良さを感じていますが、このお話を聞いてやはり素敵なお店と思いました。