森久美子先生がフラメンコに出会ってから30年が経過しています。30周年を記念して「森久美子フラメンコ道〜祈りの道〜」の公演が行われました。森先生の30周年記念の年なので、大阪、東京、そして故郷和歌山市の三か所でフラメンコ公演を開催してきましたが、その三部作の最終公演が本日開催されました。
大阪公演のテーマは「サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道」で、東京公演では「高野・熊野参詣道」を演じています。そして和歌山公演は「私のフラメンコ道」をテーマとして舞台を繰り広げてくれました。
先生はフラメンコを「道」だとしています。これは武士道、柔道、剣道など武道の精神を受け継ぐスポーツや文化は「道」として語られているように、フラメンコも「道」だと捉えているのです。つまりフラメンコはスペインの舞踊ですが、日本文化と融合させて「私のフラメンコ」を確立してきた森先生だからこそ、日本文化の要素を受け継ぐものとして「フラメンコ道」と命名し、日本の伝統的な文化と同じ精神をフラメンコに宿しているのです。
情熱のフラメンコに日本の精神性を埋め込んだ「私のフラメンコ」の舞台を創り、演じられるのは森先生だけですから、和歌山県の誇りだと思います。
先生は今年フラメンコに出会ってから30周年を迎えるに際して、数年前からこの企画を考えていたことを僕は知っています。僕はその時から、この記念の年に向けて大変な挑戦をしている姿を見てきました。そして11月、12月の期間で、とうとう「祈りの道」の三公演をやり遂げたのです。大阪公演、東京公演、そして地元での公演をやり遂げられる人は他にいないと思いますし、この精神、氣力、情熱は素晴らしいと感じるばかりです。
フラメンコに出会ってから30年間と言いますが、30年間、変わらない情熱を持ち続けて今もフラメンコを踊り、後に続く舞踊家を育てている姿は感動を覚えます。フラメンコ舞踊団、生徒さん、そして応援する人達も巻き込んでの「フラメンコ道」は確かに森先生と共にあることを感じています。一つのことをやり続けることは、並大抵のことではないことを私達は知っています。
まして30年間も一つのことに情熱の火を灯し続けて、今も激しく燃え続けている。こんな情熱の舞踊家が和歌山県にいることを誇りに思いますし、30周年以降も燃え続けて欲しいと思います。
今日、お客さんの前で初めてソロで舞踊を披露した5人の生徒さんがいました。舞台にいた先生は、優しく温かい視線で生徒さんを見守っていたことを感じました。5人が演じ終えた瞬間、皆さんはホッとして笑顔になりましたが、先生も子どもの親のようにホッとした表情をしていました。初めての公演の日を迎える前日まで緊張の真っただ中にあったと思います。でもソロの初舞台をやり遂げて、皆さんが充実感で満たされていると感じました。
森久美子先生、舞踊団、そして生徒の皆さん達が素晴らしい舞台を見せてくれました。「フラメンコ道」がこの先も続いていくことを確信しています。
障がい者施設のクリスマス会に行って来ました。入所者と家族の皆さん、そしてスタッフの皆さんが楽しみにしている企画です。施設内にはスタッフの皆さんがクリスマスの飾り付けをしていて、雰囲気が盛り上がっていました。
そして開会の時間となり、最初に僕から皆さんに挨拶をさせていただきました。
「メリークリスマス。クリスマスの季節がやってきました。今日をとても楽しみにしていたと思います。今日、この後すぐにクリスマスソングを歌ってくれるボランティアの皆さんに登場してもらいます。みんなと一緒にクリスマスを楽しむために歌いに来てくれました。
その後は、滋賀県でのコンサートを終えたハニーゴールドの皆さんのミニコンサートがあります。みんなの知っている歌も元気になれる歌も歌ってくれると思いますから、楽しみにして下さいね。最後まで一緒に楽しみましょう。
そしてご家族の皆様方、ようこそお越しくださいました。ここでは皆さんの子どもさんを大切に預かってくれています。施設長とは2年ぐらい前から、障がい者が入所できる施設が和歌山市内には無いので欲しいよね。だったら作ろうか」と話をしていたのですが、和歌山県と和歌山市の協力を得て、開所することができました。ここでは親切で思いやりのあるスタッフが、皆さんの子どもさんを見守っていますから、是非、ご安心して下さい。今年、ここは地元の新聞にも親切で安心できる施設だと取り上げられた程ですから。
さぁ、いよいよクリスマス会のスタートです。みんなで一緒に楽しみましょう」と挨拶をしました。
ボランティアグループの皆さんのクリスマスソングメドレー、そしてハニーゴールドによるミニコンサートを行いました。みんな大喜びで手拍子、声援を贈ってくれました。こんな家族的な雰囲気になったのは演奏者の気持ちと共に、スタッフの温かさ、入所している皆さんの心が温かいからだと思います。
日頃は反応の少ない入居者の一人の方が「手拍子をしていたよ」となったように、皆さんが喜んでくれたと思います。本当に楽しい皆さんと一緒のクリスマス会でした。