県議会は常任委員会の審議に入りました。本日、僕も所属する建設委員会が開催されました。委員会の中で示された、最近の県土整備に関する主な動きは次の通りです。
- 和歌山県はコンパクトシティに関して、和歌山市内の三箇所の市街地再開発事業を支援しています。和歌山市駅前地区において市立図書館、ホテル、商業施設などの機能を備えた「キーノ和歌山」が令和2年4月下旬にオープンすることになりました。賑わいの創出を目指した街づくりに取り組んでいます。
- 空き家対策に関しては「和歌山県空家等対策推進協議会」が関係団体と連携を行い、相談会を開催しています。空き家の除去や跡地活用の促進をすることにしています。
- クルーズ船の寄港促進の誘致活動に取り組んでいます。令和元年度の寄港回数は14隻になる予定となっています。地元の受け入れ態勢の強化と誘致活動に努めていくことにしています。
- 南紀白浜空港については、令和元年10月27日からは6便中4便について大型機材の定期就航が始まりました。より利便性の高い南紀白浜空港の取り組みを行います。
- 県管理河川については、台風や集中豪雨による浸水被害の軽減を図るため「防災・減災、国土強靭化のための3ヵ年緊急対策」の予算を活用しながら河道掘削や堤防整備などの河川改修を進めています。
また市町村から建設委員会への陳情に対する意見も確認しました。
和歌山市の場合、京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸について要望があります。和歌山県では「長期総合計画」において「京奈和自動車道などの整備効果をさらに波及させるために具体的に取り組む」と記載しており、本年度も調査の推進と早期事業化を国に求めているところです。本路線が新たな計画に位置付けられ、重要物流道路に指定されるよう働きかけているところです。
他にも県全体の道路整備についての要望があり、実現可能な道路整備、難しい個所もありますが、委員会での承認を得たことから市町村に回答することにしています。
また本年、首都圏に大きな被害を与えた大雨への備えについて質疑がありました。今回のような被害を防ぐ方法として、大雨到来が予測されている場合、予め当該河川にあるダムの水を放流することが対策として考えられます。
和歌山県の場合は治水用ダム、発電用ダムとも大雨に備えて事前放流を行い、ダムの水位を下げておくことにしています。大雨予報に基づいて実施する事前対策によって、今回と同じような河川氾濫につながらないことの見解が示されました。
首都圏の場合、ダムの水を事前放流してしまうと、東京が必要とする水が確保できなくなる、つまり「渇水」の恐れがあり、十分に事前放流ができなかったことも考えられると、私見ですが示されました。大きな人口を有している首都圏の事情が分かり「なるほど」と思うものでした。
全ての災害事例が同じとは限らないので、参考にしながら対策を取る必要がありますが、地域事情に応じた最適な対策を取り、大雨などに備えることが大切だということです。
以上の課題を含む、議案を始めとする県土整備に関しての議論を建設委員会で交わしました。なお提案された議案の採決を行い、全ての議案が承認されました。県議会本会議最終日に議決をすることになります。
まちなか再開発に関して現地で関係者と協議を行いました。東京からもデベロッパーに来ていただき具体的な話し合いを行いました。
「全国的に言えることですが、地方都市の再開発は難しい状況にあります。民間企業が再開発に関わる場合は採算性を考えますが、多くの場合、収支が合わないのです。再開発して事業が終了するなら問題はないのですが、どうしても事業を継続することになるので、最短20年先まで見込んでの事業計画を策定することになります」と話してくれました。
ただ和歌山市は県庁所在地ですから、他の地方都市よりも優位性があると思います。会合に参加した方から「何と言っても県庁所在地の和歌山市ですから、底力はあると思います。和歌山市が衰退するようなら和歌山県はダメになります」と語ってくれました。
県都、和歌山市ですから、再開発事業を含め他府県の事業者から見て、魅力的なまちでありたいと思いました。