活動報告・レポート
2019年12月2日(月)
宇宙教育

宇宙教育に関して話し合いました。今更ながらですが、元JAXAの上野精一さん達が和歌山県の教育のために本当に心ある取り組みをしてくれていたことに感謝しています。子ども達に宇宙に関心を持たせることによって、それを教育に生かせる教材を作ることをしてくれています。上野さんは故郷、和歌山県が宇宙教育を実践することで子ども達の能力が高まり、世界に通用する日本人らしい心を持った人材を育てようと考えていたのです。

そのことを当時の山口教育長が気づき、その考え方に感動したことから和歌山県教育委員会として、JAXA宇宙教育センターと宇宙教育活動に関する連携協定を締結したのです。そこから始まった和歌山県の宇宙教育をさらに発展させることが、後を託された者たちの責務だと考えています。しかも民間ロケット射場が実現することになり、和歌山県のこれからの働きかけによって、宇宙教育実践の場にすることができるのです。

和歌山県とJAXAとの間での、宇宙を素材とした教員向け研修プログラムの開発は普遍性を持つことになり、そこに実地研修の場を持たせることで和歌山県の宇宙教育を学ぼうと、全国から教師や生徒を呼ぶことが可能となります。

和歌山県の底力はそれだけに留まりません。紀南には世界遺産の熊野があります。日本人の心が宿る熊野で研修を受けることによって、和歌山県以外で体験できない宇宙教育ができることになります。宇宙においては日本人が持つ和の精神が必要となるので、熊野で日本人の心を学ぶことは宇宙教育に欠かせないことになります。

ここで宇宙飛行士の若田光一さんの話も聞かせてもらいました。若田さんが宇宙飛行士として評価を受けた最大の理由はクルーのチームワークを図ったことにあるそうです。若田さんは日本人であり、外国人同士であっても仲間であるという和の精神を持っていたのです。

現在「エデュケーション・ツーリズム」が注目を集めていると聞いています。もし、宇宙教育プログラムが完成し、実地研修ができる環境を整えることができたなら、全国から「エデュケーション・ツーリズム」の候補地として和歌山県が選ばれることになります。

思い出すのは当時の和歌山県教育委員会山口教育長の言葉です。

筑波宇宙センターで行った試験的プログラムで先生方が見せつけたプロの教育者の実力と輝きを目にした山口教育長は「今の先生達はね、学級崩壊やモンスター・ペアレンツへの対応などに忙しくて本来の教育に専念できず疲れ切っています。その先生達のこんなに生き生きと幸せな顔をみるのは久しぶりです」と感激され、和歌山県とJAXAの間で全国初の宇宙教育協定が締結されることになりました。

教師が生き生きする姿は子ども達にも伝わります。当時、宇宙教育を受けた子ども達はきっと楽しく学習をして科学と日本人の心を学んだことだと思います。

それにJAXAとの協定締結の後、組織として活動を開始した「スペース・ティーチャーズ和歌山」。なんと言っても「スペース・ティーチャーズ和歌山」は和歌山発、和歌山県は宇宙教育においては先駆なのです。この教育は和歌山県固有のもので全国に誇れる教育です。

今、JAXA内でも宇宙関連企業の間でも「上野さんの意思を継ごうと、宇宙教育に注目が集まっているらしい」「なんと言っても山川理事長は教育者ですから」という声が聞こえてきます。この分野で和歌山県は9年前から始動しているトップランナーなのです。

和歌山県は宇宙教育の先進県です。県で実施している宇宙教育を、全国に展開できるような取り組みになることを目指したいと考えています。

和歌山県教育委員会が行っている宇宙教育に関してはこれまでの経緯を取りまとめていますが、令和元年12月県議会で取り上げようと思っています。