活動報告・レポート
2019年12月1日(日)
和歌山県における今後の医療展望講演
和歌山県における今後の医療展望講演

「和歌山県における今後の医療展望」と題して藻谷浩介先生が講演してくれました。藻谷先生は「デフレの正体」などの著書がある方で、全国各地の地域事情に詳しい先生です。

その藻谷先生が和歌山県の将来についても説明してくれました。将来を見通すためにはデータを使い実態を知ってからで語る必要があります。

「イメージや空気は事実と違うので、常に事実を数字で確認しないと間違える」ことを終始一貫して伝えてくれました。

例えばわが国の自殺者は、平成元年と平成30年と比較すると減少しています。最近の報道などから殺人件数は増加していると思いがちですが、実際は治安が良くなっているのです。

もう一つの事実としてメキシコとの比較をします。メキシコの殺人件数は年間約16,000人です。平成30年のわが国の殺人件数は約900人ですから、この数字を比較するとメキシコは怖い国だとイメージします。しかし日本の死亡に関するデータを追記すると事情は一変します。

わが国の自殺者は年間約20,000人、孤独死は年間約30,000人あります。合計すると日本でおかしな亡くなり方をしているのは50,900人となり、メキシコの殺人件数を上回ることになります。同国において自殺や孤独死はそれ程ありませんから、どちらの社会が異常なのか、分からなくなるデータです。

また空き家率を見てもおもしろいデータがあります。和歌山県は全国一の空き家率を誇っています。実に約19パーセントが空き家となっています。東京都と比較します。東京都の空き家率は約11パーセントですから和歌山県よりも低い水準です。「和歌山県は空き家だらけだなぁ」と思いますが、軒数で比較すると違った見方になります。

和歌山県の空き家件数は約9万軒。東京都の空き家件数は約81万軒ですから、圧倒的に東京都の空き家が多いのです。言うまでもなく空き家軒数日本一は東京都です。イメージや空気は事実と違うことが分かる事例です。

このようなデータを活用して都道府県を比べると、和歌山県は暮らしやすい地域であることが分かってきました。後は他の都道府県から移住してもらえる政策が必要なだけです。

そして人類についても考え方を示唆してくれました。人類が誕生してから約13万年が経過していますが、人類は滅びていません。少子化問題が発生してきたのは直近30年ぐらいです。人類は約13万年も続いてきたので、将来も少子化が続くとは言えません。もし少子化が続くようなら人類は滅びることになりますが、人類の歴史はそうなっていません。子育てが出来やすい社会環境を整えることが少子化対策となります。

もう一つおもしろかったのは席の配列です。隣を空けずに席を詰めて座りました。藻谷先生が講演の中で何度も問題を出題するので、その答えについて隣の人同士で話し合うことを求めたものです。おもしろい結果が出ました。隣の人同士で話し合った人の正解率が高くなり、藻谷先生に言われても話し合いをしなかった人は誤答率が高かったのです。

つまり一人で考えるよりも二人で話し合うことによって正解に近づくことができるのです。人と話し合うことが正解に近づくことになる。仕事や生活の場で活用したいことだと思います。

モノの見方を転換することも大切だと示してくれた講演となりました。

コンサート

アバローム紀の国でFプロジェクト主催のコンサートが開催されました。このコンサートは同チームが毎年12月に開催しているもので、今年、5回目を迎えています。

今年のテーマは「Today is a gift」です。テーマに相応しい曲が演奏され、そして歌われました。オープニングから心に染み入るような演奏でした。人は誰でも一年を通じて仕事や生活を頑張っています。そんな頑張っている自分に聴かせたい曲の演奏となったからです。「12月の今日ぐらいは少し心を休めよう」という曲展開がありました。

主催者からは「心豊かな時を過ごして下さい」と案内があったように、テーマに沿ったコンサートとなりました。使用した楽器はピアノ、ベース、サックスですが、三人が交代して楽器を演奏したことも新鮮でした。

そして演奏の途中、挨拶の時間をいただきました。

皆さん、こんばんは。素敵な演奏が続いていますね。登場していきなり岡本さんがサックスを吹きましたから驚きましたね。昨年は一曲だけサックスを演奏しましたから、構成に大きな違いがありますね。

さて「シェルブールの雨傘」、「星に願いを」と、最初の演奏から曲が心に染み込んできました。僕の立場は常に「和歌山県を良くしよう」、「頑張って県政を進めています」など人をリードするような言葉を使っていますが、一年の活動の中には辛いことも起きます。そんな思いを消し去ってくれるような素敵な選曲と演奏が続いています。

そうなんです。今日のテーマは「Today is a gift」です。Giftはプレゼントよりも少し価値のある贈り物という意味があります。今日のGiftは、私達が今年一年頑張ってきたことに対する天からの贈り物であり、演奏者からのメッセージを添付した贈り物なのです。普段と少し違った価値のある贈り物を受け取ることができるコンサートだと思います。

Giftを受け取れる私達は素晴らしい幸運に恵まれていると思います。県政の大きな動きはロケット発射場や南紀白浜空港の新ターミナル建設などがありますが、今日は皆さんと一緒に演奏者からのGiftを受け取りたいと思います。

以上のような挨拶をさせていただきました。

このコンサートを聴くと12月が始まったと思います。今年も残すところあと一か月です。後悔しない一か月を過ごしたいと思います。