活動報告・レポート
2019年11月29日(金)
青森県での研修
青森県での研修会

昨日から来ている青森県研修会の二日目の朝を迎えました。外は摂氏3度の寒さで、空気が冷たく心身とも引き締まる朝となりました。エネルギー学習会では、坪谷隆夫さんから講義を受けました。

坪谷さんは動燃事業団の元理事を務められた方で、専門的な内容を分かりやすく丁寧に説明してくれました。難しいことを平易に表現することは難しいことですが、本当に分かりやすく伝えてくれたので勉強になりました。

研修会の冒頭、講師の自己紹介をしてくれたのですが、その切り口が新鮮でした。「一体どこの誰か分からなければ講義をしても興味がわかないと思いますから自己紹介を行います」という話始めでした。説明資料は色分けして分かりやすくポイントを示してくれていました。

枚数がある資料なので、後に資料を見返した時に「黄色の部分を読めば大切なところが分かります」ということなので、黄色で囲んだ箇所を注意して資料を眺めました。 講師が説明してくれた要点はたくさんありますが、最も印象に残ったことがあります。

「現在、日本にはガラス固化体が約25千本存在しています。これらが地上に置かれた状態になっています。私達の生活において安心の前に安全があるべきですから、このガラスをこのまま地上で保管しておくのか、それとも地層処分するのかを決めなければならないのです。

地上に保管しておくことは生活圏に置いておくことなので人間が安全に管理し続けることになります。地層処分をすれば人間の生活圏から遠ざけることができ、自然界の中で半減期を迎えることになります。どちらが安全に管理できるのか考えて欲しいと思います」ということです。「現実に存在しているものを人間がリスクを抱えながら管理を続けるのか。それとも地層処分を行い生活圏外で保管することにするのか考えるべきです」という趣旨の発言です。

存在していないもの、または存在しているものを消せるなら、処分に迷うことはありません。ところが現実に存在しているものがあれば、安心のために安全な方法で処分することを考える必要があると思います。前の世代が誕生させた科学技術の恩恵を受けて、私達の現在の生活環境があります。豊かな暮らしを享受できているのは、先人がもたらした科学技術のお陰です。その方達の次の世代である私達は、その科学技術が残した課題を解決することが命題だと思います。

もうひとつ印象に残ったことがあります。それは次のようなことです。

「優れた技術であることは大事だが、マーケットが評価しなければ技術は消える」ということです。原子力技術も同じで、国民が評価、そして社会が認知しなければ技術は消えることだというものです。

そして経済データを紹介してくれました。それは2015年度の市町村民一人当たりの所得のデータです。

六ケ所村の所得は1,515.9万円となっています。参考までに青森県内の主な他の市町村のデータを記します。八戸市は264.3万円。三沢市は249.5万円。青森市は246.1万円ですから、六ケ所村の所得は桁が違うことが分かります。巨大産業がある市町村の所得水準は高くなっていますから、地域振興になっているということです。

また日本原燃の従業員2,818人の内、約60パーセントの人が青森県出身者となっているとのことです。

今回のエネルギー問題に関する説明は、これまで聞いた説明の中で最も価値のある説明の一つだと記しておきます。賛否を言う前に置かれている現実を知ることと課題解決のために動いている人の話を聞くことが大事だと感じました。

航空広場

帰路は三沢空港から伊丹空港に向かうため、空港に隣接している三沢市の「大空ひろば」の視察を行いました。航空自衛隊の飛行機や米軍の飛行機が公園内に展示されていて、自由に見学できるのです。航空機や宇宙に関心を持つことかできる、次世代と共に訪れたい公園です。

また「はやぶさ」やアポロ宇宙飛行士の宇宙服のレプリカも展示されていて、訪れることで科学に興味が持てる内容になっています。またここでも宇宙に関する話題となりました。和歌山県と宇宙は関連があるので、何か取り組みをすることを伝えてくれているようです。

三沢市大空ひろば 三沢市大空ひろば 三沢市大空ひろば