活動報告・レポート
2019年11月27日(水)
セミナー

滋賀県内で開催されたセミナーに講師としてお招きをいただき講義を担当させていただきました。和歌山県議会議員の立場で滋賀県に講師として依頼してくれたことを嬉しく思いますし、やるからには講義を聞いてくれる皆さんに、仕事や生活に役立つような話を何としても持ち帰って欲しいと思い講義をさせてもらいました。

今回話をしたレジュメは次の通りです。

1.自己紹介

今回セミナーの受講者である滋賀県の皆さんは僕のことを知らないので自己紹介から話を進めました。

2.議員、議会は誰の味方、どんな立場。

議員の立場について明確に示しました。地方自治体の長、つまり県知事は行政府の長ですから、「県庁」という存在です(ここで言うところの県庁の定義は詳しく説明しました)。しかし県議会議員は「県庁」ではありません。県議会議員は民意を反映させる立場なので「県庁」の立場を取るのではなく「県庁」に私達の意見や考えていること、政策を提言、言う立場にあります。権力者に対して民意を述べる立場にあるのが議員です。

3.議員の役割について

先に述べた通り、議員は県民、市民の代表ですから、民意を反映させることがその役割です。皆さんの意見を聞いて議会で提言することが役割だと言えます。仕事を円滑に進められるようにしくみを作ること。安心できる生活環境を築くこと、豊かだと思える生活環境を作るための政策を進めることが役割です。

4.民主主義の基本について

憲法の三原則を伝えました。憲法の前文に書かれている国民主権、憲法第9条に示されている平和主義、そして憲法第11条と第97条に記されている基本的人権が日本国憲法の特徴であり誇れるものです。これらの権利は自然権であり、国王や総理大臣から与えられているものではなく、生まれながらに有している権利ですから、例え国家からでも侵害されることはありません。

フランス革命やアメリカ独立宣言で述べられているように、人権こそ私達が獲得した最大の権利なのです。日本国においては人権が守られていますから、経済的自由、私有財産が認められている、そして幸福な生活を過ごす権利が与えられているのです。

そして民主主義の基本は、自由に議論できること。少数意見が留保されること。最終的には多数決で決めることにあります。最初から多数決で押し切ることは民主主義ではありません。

5.議会本会議について

議員の最大の役割は議会本会議で発言することです。本会議で発言しない議員は役割を果たしていないと見るべきです。有権者である皆さんは、本会議における議員の登壇回数や発言を知って下さい。私達の意見を本会議という公式な場で発言していることが議員の本質ですから、厳しい視点で議員を見て下さい。

6.憲法とは??

日本国憲法について説明を行いました。「法の支配」と「法治国家」は似て非なるものであることと、わが国は両方の面を有していますが、イギリスの民主主義の原則である「法の支配」に基づいた統治、社会ルールが適切であることを説明しました。

また憲法第13条「幸福追求権」こそ、日本国憲法の要点であり、新しい人権を生み出せる条文であることを解説しました。プライバシー権や環境権、アクセス権など、以前は人権と認められていなかったものが、現在、人権として認められているのは、この第13条のお陰だということです。

また憲法は法律と異なり、権力者、国家や公務員などに縛りをかけているものであることを説明しました。法律と憲法は別次元のものなので、縛られている筈の権力者から発案すべきものではなく国民から湧き上がるものであることが要諦です。

7.和歌山県議会で取り上げた具体的事例について説明しました。
8.せっかくだから和歌山県のPRを行いました。

(1)ロケット発射場建設→2021年

(2)南紀白浜空港国際線化→2021年

(3)統合型リゾート→2021年に候補地が決定

(4)高速道路阪和自動車道紀勢線の四車線化→2021年

以上の説明を90分かけて講義をさせていただきました。

講義の後、参加してくれた皆さんとの交流会に出席しました。皆さんから「議員の役割が分かりました」、「こんな議員さんが滋賀県にもいて欲しい」、「民主主義について理解できました」、「こんな話を聞いたことがありませんでした。勉強になりました」などの感想を聞かせてもらいました。皆さんに感謝しています。ありがとうございます。