活動報告・レポート
2019年11月24日(日)
上野敦子さんの宇宙に関する講演

宇宙に関する動画「古事記に学ぶ日本のこころ」を拝聴しました。ロケットに期待する話があちらこちらで聞かれるようになっていることもあり、久しぶりにこの講演を聴きたくなりました。

この講演は平成30年10月13日、國學院大學 渋谷キャンパス百周年記念館記念講堂で開催されたものですが、今、聞き返しても本当に素晴らしい内容でした。説明資料は上野精一さんのもので、講演は上野敦子さんが行ったものです。この時、上野精一さんは療養中だったことから上野敦子さんが講演してくれたものですが、お二人の合作となった素晴らしい内容に感動しました。資料の素晴らしさ、諭すように、語り掛けるように伝えてくれた語りは聞きやすく、感動の講演でした。

この中で宇宙飛行士の語った言葉が紹介されました。一人はアポロ14号のパイロットのエドガー・ミッチェルの言葉です。

「最高の喜びは帰路に待っていた。窓から2分ごとに地球、月、太陽が見えた。そこには、見渡す限りの広大な宇宙空間。圧倒されるような経験だった。

そして私は気づいた。己の肉体の分子も、宇宙船の分子も、クルー仲間の肉体の分子も、すべてはつながっていて一体なのだと。 他と私ではなく、万物は一体なのだと。

私は恍惚感に包まれた。真の自己に、悟りに、触れたのだ」というものです。

もう一人がアポロ8号と13号に乗船したジム・ラヴェルの言葉です。

「我々は月を知ることで、実は地球について知った。遠く離れた月で親指を立てると親指の裏に地球が隠れる。すべてが隠れる。愛する人たちも、仕事も、 地球が抱える問題も すべて隠れてしまう。

我々は何と小さな存在だろう。だが、何と幸せなのだろう。この肉体をもって生まれてきて、この美しい地球で人生を謳歌することができて」という言葉です。

月探査機かぐや撮影の地球の出

そして感動したのが、月探査機「かぐや」が撮影した「地球の出」の動画です。何もない荒涼とした月から見た地球。地球が月面から宇宙空間に姿を見せる瞬間の美しさはまさに感動。感動という言葉以外、適切な言葉は見つかりません。

「地球は宝石のように美しい奇跡の星」。上野精一さんが地球を表現した言葉ですが、地球は宇宙における奇跡であり宝石だと思います。地球から見た月はきれいですが、実際は人が住める星ではありませんし荒涼とした灰色の星です。しかし月から見た地球は美しい、宝石で真っ暗な宇宙に浮かぶ奇跡の星だと思います。

ここで命を与えられている私達が悩むこと、争うこと、言い合いすることなどは取るに足りない小さなことだと気づきます。宝石を包むように、相手を包むような優しい心で接することが私達がすべきことだとも感じさせてくれます。

そして上野敦子さんは語ります。「日本人の精神、感謝のこころが地球で暮らす全ての人々に浸透すれば、この世界から争いや破壊が消えるのではないでしょうか」と。

宇宙から見た地球は小さな存在ですが、その美しさは他にありません。同様に、地球の中の日本は小さな存在ですが、その凛とした精神と美しさは特別です。日本人の価値が世界に広がれば、平和な世界が実現すると思います。宇宙を知る教育は、日本人の精神を崇高なものとし、世界平和につながるものなのです。

日本の中の和歌山県は小さな存在ですが、ロケット発射場が実現しますし、JAXAの協力を得て宇宙教育を実践している県でもあります。和歌山県は高野山や熊野古道に代表される古からの崇高な精神と文化を有している県ですから、和歌山県が持ち得る世界遺産になった優れた精神性という価値を全国に発信したいと思いました。

この「古事記に学ぶ日本のこころ」によって宇宙に関わる日本人の心を知ることができました。宇宙を知ることで宝石のような地球を守ることに気付きそのための行動につながります。

地球を守る精神性を有している和歌山県こそ日本の代表県であり、日本人の心を世界に発信すべき県だと感じました。