青森県六ケ所村はわが国の重要なエネルギー政策の拠点となっています。風力発電、太陽光発電ともに大規模な設備があり、青森県最大の発電規模を誇っています。風力発電は92基あり、総出力は14万5千kWの規模となっています。また太陽光発電のパネルは51万枚もあり、総出力は1万5千kWとなっています。太陽光発電の敷地面積は253haもあります。
また国家石油備蓄基地があり、その備蓄量は490万klとなっています。そこに日本原燃の原子燃料サイクル施設もありますから、まさに、わが国の重要なエネルギー拠点となっている場所です。青森県以外に住む人にとっても、わが国の進めているエネルギー政策には関心を持っておきたいと思います。
そのためには、やはり現地を訪ねて施設を見ること、関係者の話を聞くことと質疑を交わすことは大切で、賛否は別として社会問題としての知識は得ておきたいところです。それは、社会は誰かが私達の生活を支え続けてくれているのです。現地を訪ねて話を聞くと、私達の社会を支えてくれていることに感謝したくなります。
ここで話を展開しますが、10月22日にお亡くなりになった緒方貞子さんは、危険な紛争地帯や難民キャンプを訪ねていました。国連の役割とは言え危険な時期にその場所を訪ねることは、簡単にできることではありません。緒方さんの発した言葉から「現地を訪ねることで分かることがあります。現地を見て問題解決に向かうことが大切です」という趣旨の思いを持っていたと思います。緒方さんが取り組んだ難民問題だけではなく、どんな問題も現地を見ないことには問題の本質は分からないので、訪ねることがとても大事なのです。
クルド人の難民問題が起きるまで、国連は「国境を越えた難民を支援するけれど、国内に留まっている難民は支援しない」方針でした。クルド人がトルコ国内で難民となった現場を訪ねた緒方さんは「国外だから支援する。国内だから支援しないのでは国連として難民支援になりません。国外と国内の難民はどこが違うというのでしょうか」という趣旨の考えを抱き、国連の難民支援のあり方を変えていきます。
これも難民キャンプの現地を訪ねて分かったこと、感じたことから国連の方針を変えたものです。国連の中において、日本人として大きな役割を果たしてくれた偉大な人物が緒方貞子さんです。わが国の外交史に大きな足跡を残してくれた緒方貞子さんを心から尊敬していますし、その足跡に込められた思いを受け継ぐ気持ちを日本人として持っておきたいと思います。
緒方さんがモットーとしていた「現地を見なければ物事の本質は分からない」。その考え方を大切にしたいと考えています。
さて、日曜日に伝えてもらったことですが、量子力学では人も物も全てつながっている。だから人はエネルギーレベルが同じ人を引き寄せることになるということです。ですから一緒に現地を訪ね、見て聞いて知識を得て議論ができる関係にあることは、共に意識レベルが同じだと言えると思います。
だから今回、この研修にご一緒でき、知識を深め、エネルギー問題について認識し、話し合ったことが、この重要な社会問題課題解決に向けて大切なことだと感じています。エネルギー問題は避けて通れる課題であれば避けても良いのですが、避けて通れない課題であれば誰かが解決しなければならないのです。現代のエネルギー問題について、関心をもって考える契機になった研修会でした。
全ての行程を終えて三沢空港から伊丹空港を経由して和歌山市へと戻りました。現地を訪ね、話を聞いて分かることがありました。