活動報告・レポート
2019年10月27日(日)
視察二日目
幌延深地層研究センター視察

幌延深地層研究センターを訪ねました。この施設は地層の研究をしているところで、本日は、地下350メートルの地点までエレベータで降り、地下の世界、約700メートルを歩きました。

この辺りの地層にはメタンガスが発生するため、地上から送風機で空気を送り続けています。当たり前のことですが、空気と地下水があるため鉄は錆が発生しています。反対に、空気、または水のどちらかがなければ錆は発生しないのです。地下に鉄を埋め空気を遮断すれば錆は発生しなくなり腐食速度は抑えられるようです。

ここでは地層に放射性廃棄物を埋めた場合の実証実験を行なっています。そして、放射性廃棄物は持ち込んでいませんし、将来とも持ち込まない約束を北海道と幌延町との間で協定を締結しています。そのため最終処分場の候補地ではなく、地層に関する研究所としての位置づけとなっています。

原子力技術を有する国では放射性廃棄物の地層処理方法の研究を行っていますが、わが国でも同様に研究を行っているのです。処分は安定した300メートル以上地下の地層に処分することを前提に方法や技術を確立しようとしていますが、まずは地層研究、地下の世界の環境を測定し方法を研究している段階です。

幌延深地層研究センター視察

ところで地層研究を行っている施設は、わが国では北海道の幌延と岐阜県瑞浪の二か所にあります。瑞浪の地層の方が堆積岩で固いのですが、地下水がとても多く流れ込んでいます。1日辺り約千トンと聞いていますが、幌延は1日辺り約5トンの地下水が流れ込んでいるに過ぎないので、岩盤の性質によって流量は大きく異なります。岩盤は瑞浪の方が固いのですが、地下水が多く、幌延の岩盤は堆積岩と比較して柔らかいのですが地下水の量は少ないのです。適正という面で、どちらの地層が処分場として適しているか判断はできないようですから、二か所で研究をしてデータを集めていると聞きました。

ところで原子力技術は前世代が開発したもので、現世代はその恩恵を平和利用の形で受けています。放射性廃棄物処理場がない現実を現世代が引き継いでいますから、将来の課題解決のため、何もしないまま持ち越さないように、この課題を考えたいと思います。

帰りの飛行機からの夕日

視察に参加した方々が、現代の課題を知り、学び、現地視察したことで考える契機になったことを話してくれました。この課題は賛否ではなく、どうすれば解決できるかを考えるべきだと思います。現実に原子力技術が存在していること、処理場が必要なことは明らかだからです。将来、避けて通れない課題ですから、学びの機会を大切にしたいと考えています。帰路は稚内空港から新千歳空港経由で、関西空港に戻りました。参加した皆さんと一緒に現代の課題を考える視察になりましたこと、感謝いたします。

パンケナイ川の鮭の遡上

また再び、中川町にあるパンケナイ川のパンケ橋から鮭の遡上の様子を見に行きましたが、その数は減っていました。鮭の産卵の季節も終わりに差し掛かっているようです。

季節は秋から冬へと向かい、自然界は命のバトンの時期になっていることを感じます。生を受けている者が新しい命を誕生させるために、最後の力を振り絞って自らの命を消そうとしています。残酷なように思いますが、生き物の命は永遠ではないから循環させていきます。地球上の生命は、命を再生させるのではなく循環させる方法を選択しています。常に誕生、成長、衰え、死という循環を繰り返しています。北の大地を訪れると、そんなことを思います。

また「量子力学」について教えてもらいながら帰りの飛行機の中を過ごしたので、新千歳空港から関西空港までの時間が短く感じました。今月、和歌山市に村松大輔さんが来て講演をしてくれました。私達は頻繁に引き寄せられることがありますが、何故、こんなことが起きるのか、その理屈は分かっていません。それを「量子力学」で分かるようなので、学ばない理由はありません。うまく行く人は行動している人ですが、行動することで出会うべき人に会い、出会うべき事象に遭遇しているのです。

視察に参加してくれた皆さん

「ゼロポイントフィールド」という言葉があり、この意味が分かると実践しようと思うことになるという話です。昨日と今日の視察が実行できたのも、この参加者で「やるべき理由」があると思います。人と人はつながっている。人と物もつながっている。人と空気もつながっていますから、全てのことにおいて境界線はないということです。

この点は改めて触れたいと思います。視察に参加してくれた皆さんに感謝しています。