活動報告・レポート
2019年10月18日(金)
社会問題
現場視察二日目

昨日から茨城県に視察に来ています。本日は二日目の現場説明を受けた後、視察を行いました。午前一か所、午後からも一か所の現地を訪ねて視察と意見交換を行いました。和歌山市に戻ったのは午後11時過ぎで、まとめなどの作業をしていると日付が変わりました。ご一緒してくれた皆さんのお陰で、たくさんの成果を持ち帰れたと思います。

社会問題

社会問題は大抵の場合、世論は賛成と反対に分かれます。それぞれ賛成の理由、反対の理由がありますから、議会などで判断の必要に迫られた場合、双方の意見を聞いた結果と法律や条令などを参考にして判断することになります。判断するに際して難しいのは、社会問題には正解がないということです。公式があるわけではなく、決まった正解があるわけでもなく、「恐らくこちらの立場を取ることが正しいだろう」という判断をすることになります。

議論を交わしている問題において、10対0という明らかに結論が出ているような事例は少なく、どちらの立場を尊重すべきかという悩ましいことが多いのです。比率にして6対4だとか、5.5対4.5などの場合がそうですが、判断するに際してそれぞれの立場が7対3でも8対2であっても、簡単に結論を出すことは難しいのです。判断する立場にあると、多数派の意見は尊重すべきですが、少数派の意見もまた尊重すべきだからです。

議員の立場であれば、基本は県民、市民の方々の意見や思いを尊重することに重きを置きます。

議員は県民、市民から選出されているように、その立場の方々の生活や生命、安全や安心、そして平穏な環境などの利益を護ることが大きな役割だからです。

但し、その人やその地域以外の多くの県民や市民の方々の利益を失わせるような行き過ぎた要求には賛成できないことがありますが、多くの場合は県民、市民の方々の立場に立ちます。

多くの人が社会で常識的だと思っているような公共の福祉に反するような行為をする人がいれば、県民、市民の方の要求であってもその立場を支持することはできません。

例えば、市民が飲料水として用いている河川の水源を持つ山に、山の所有者が水源を汚染する恐れのある施設を建設しようとした場合などが該当します。

土地の所有権はその利用に関して制限を受けるべきではありませんが、公共の福祉に反する場合は制限を受けます。この場合、飲料水として利用している河川を汚染させる可能性がある施設の建設は建設すべきでないと判断するのが議員の立場です。県民、市民の皆さんの安全を脅かすことになるからです。

個人の土地利用の権利を制限してでも護るべきものは、県民、市民の方々の命と健康であり、安全と安心だからです。行政手続きは、多くの人の生活に影響があると考えられる場合を想定して定められています。個人の土地であっても大規模な開発を行う場合は、環境影響調査や開発許可申請が必要なのは、その開発行為が公共の福祉に反することのないように行政手続きを定めているものです。行政手続きはより多くの人の利益を護るために定められているのです。

だから一般的な敷地面積の家に植えられている庭の木を伐採する場合は、何の制約もありません。他に影響を与えることがないからです。それが行政手続きの考え方なのです。

ですから、相反する利益を求めて依頼がある場合、どちらの立場も理解しながらも、より多くの人が望む方向で判断することが基本だと思います。常に判断すべき立場にある者は、自らの判断に責任を負っているのです。難しい判断を迫られた場合、苦しいことも悩むこともありますが、県民、市民の方々の利益を護るために判断しています。

時々、「議員は議会以外の時は何をしているの」と聞かれることがあります。議会の時だけが議員の役割を果たしているのではなくて、議会開会中以外の時に地域で起きている問題の解決に当たることや、問題のある現場を訪ねて現状を把握して対応を考えるなどの行動しているのです。

議員は当局から提案されたペーパーや説明だけで判断するのではなく、皆さんの意見を聞くことや現場調査をして判断材料を得ているのです。議会開会中以外の時の活動も、大事な活動だと考えています。