活動報告・レポート
2019年10月9日(水)
建設委員会三日目
高知港視察

建設委員会三日目は、高知港と高知市の中心地を視察しました。高知港には2万トンの大型客船「ぱしふぃっく びいなす」が停泊しているところでした。乗船は350人の規模で、停泊中に高知市内の観光に出掛けているところでした。高知港に到着すると観光客は港湾建物内で受け入れを行い、そこから高知市内の観光コースに沿って市内に出掛けます。日本人に人気なのは桂浜の坂本龍馬像と記念館で、外国人は高知城やまちなか巡りが人気だと、説明してくれた高知県庁職員さんから聞きました。

外国人観光客に人気なのが視察の初日に訪れた「ひろめ市場」で、ここは地元の方と観光客が交流できるスペースになっています。「ひろめ市場」は中心地にあるアーケードのある商店街にあるため、この付近は平日でも賑わいを見せています。クルーズ船の誘致を始めとするインバウンド誘致の取り組みは成功していますが課題もあります。それは「ひろめ市場」や商店街の中の人気店にお客さんが集中してしまっていることだそうです。観光客はどうしてもガイドブックやインターネットで人気店を探し出してそこを訪れますから、それ以外のお店に観光客が来てくれない状況も発生しているようです。

高知県も観光客の分散化の必要性は分かっているのですが、一気に400人から4,000人も高知市内に来ると地元だけでは受け入れられないことが課題になっています。人気店に集中すれば長い行列ができてしまいお客さんが不満を感じることになりますから、地元で人気のお店を紹介するなどの取り組みが必要になります。

高知市視察

「クルーズ船内で、地元で人気のあるお店を紹介する方法も良いですね」と話しましたが、それも含めて「ひろめ市場」のような店舗を増やすなどの方策を検討していると答えてくれました。

また「高知市内だけではなくそれ以外の市町にも行ってもらいたいと思っているのですが、約85パーセントが高知市内の観光に出掛けています。それはクルーズ船の滞在時間は約8時間で、下船できる時間は約6時間だから遠くまで行けないのです」という説明もしてくれました。

和歌山県でも大型クルーズ船の誘致を進めていますが、同じ課題に直面しています。8月に大型クルーズ船の「ダイヤモンド・プリンセス号」が和歌山港に入港した時の状況を思い出すと明らかです。その時和歌山ラーメンで人気のラーメン店に長蛇の行列ができていたことを聞きました。その行列を見かけた人から「今日は何があるのだろう」と思ったと話してくれました。僕は「ダイヤモンド・プリンセス号が和歌山市に来たので、その観光のお客さんが来たからですよ」と答えました。

そうしたところ「折角、和歌山市に来てくれたのだから、事前にもっと観光案内をして分散しておく必要があると思います」という意見がありました。下船後の観光コースを乗船時にしっかりと説明しておくことや、和歌山港に観光案内できる人が待機しておいて、お客さんのガイドができるようなしくみが必要だと思います。

和歌山市内でも、大型クルーズ船のお客さんを和歌山市内に誘導するしくみが出来ていないことが課題です。令和二年にも「ダイヤモンド・プリンセス号」が和歌山港に入港する予定なので、今から約6時間以内で行ける観光コースの設定や案内人への声掛けなどが必要だと思います。

折角、和歌山市に来てくれた大型客船のお客さんに「和歌山市には見るところがなかった」だとか「和歌山市は楽しくなかった」と思われないように対策を講じたいと考えています。高知港と中心地にある商店街の視察と、高知県庁の職員さんからの説明を受けて、クルーズ船を誘致した後の課題が確認でき、それに対応することが必要であることが分かりました。

これは現地に行って担当職員さんから説明を受けて肌で感じたことなので、頭の中で考えたことと違う感覚を持っていることです。

今回の視察において、徳島県と高知県の両県で担当してくれた職員の皆さんに感謝しています。