智辯学園和歌山高校野球部の高嶋仁名誉監督の講演があり聞かせてもらいました。講演テーマは「『育てつつ、育てられ』人を育てる」で、人を育てることが結果につながることを伝えてくれました。
甲子園の強豪校である同校ですが、高嶋監督が赴任した当時は弱くて、公式戦で一度も勝ったことがなかったそうです。そこで甲子園を目指すためにしたことは、日本一の練習をしようとしたことです。ただ弱いチームに練習量を求めてもついて来ることができないので、やれるように仕向けたそうです。
それは、肌で感じることと、和歌山県予選でベスト4まで勝ち残ることでした。肌で感じる方法は練習試合を行ったことです。強いチームと練習試合を行い負ける悔しさを感じることで勝つために本気で練習するように仕向けたのです。
ベスト4に入ると四度テレビに映りますから、智辯和歌山野球部を志望する中学生が増えると考えたからだそうです。
その結果、甲子園に行くには20年かかると思っていたところ、6年目で出場することができたのです。
上手くなるためには技術、体力、精神力が必要です。その練習量ですが腹筋と背筋を鍛えるために、甲子園に出場するような強豪校はそれぞれ一日200回を練習メニューにしているようですが、智辯和歌山では一日2,000回も行ったそうです。この日本一の練習を行ったことが、甲子園で優勝する基礎になったとのことです。強豪校の2倍ではなく10倍の練習量をこなすことで体力強化は勿論のこと絶対的な自信になります。しかも10倍の練習量は簡単には追いつけない量なので、他校に差をつけることになります。
そしてここでの教訓は「やらないと上手くならない」ということです。「やらないと上手くならない」ことは「やれば上手くなる」ということです。
もうひとつが智辯和歌山高校は毎年のように強打のチームイメージがあります。練習は守備を最も大事にしているという話をしてくれたことも意外でしたが、守備を重視しているチームがなぜ強打のチームになっているのかを話してくれました。
それは打撃練習では常に全国で一番の投手を打ち崩すことを目指しているからだそうです。その年で全国一の投手を打つための練習をしている。だからそれ以外の投手を打つことができているそうです。
また良い言葉を選手にかけることも大事だと話してくれました。良い言葉は人を動かす力を持っています。励ましの言葉で人は頑張れますし、「やろう」という気持ちになります。また疲れていても、もう辞めようと思っていても、言葉の力で生き返ることができるのです。
人を育てるためには良い言葉をかけることが必要で、そのためにリーダーは良い言葉を使える素養が求められます。
監督はたくさんの良い言葉を持っていますがその中の一つを紹介してくれました。「遠離夢想」という言葉です。これは「昔は昔、今は今」という意味だそうです。
自分なりに解釈すれば、過去のことは過去に留めておいて、今この時を生きることだということです。この言葉は四国のお寺を回っていた時に出会った言葉だそうですが、監督は出合った言葉、人から聞いた言葉を大切にしているので、それが人を育てることにつながっていると思いました。
日本一の練習量と良い言葉。智辯学園和歌山高校野球部の強さの基になっているものの一端を紹介してくれました。ただ言うことは簡単ですが実践は難しいことですから、実践しているチームに追いつくことは簡単ではないと思います。
連合和歌山主催の政策学習会に参加しました。定期的に学習会を開催していますが、今回は「外国人労働者」の問題についての講演を聞かせてもらいました。三人目の講師として、令和元年9月議会の一般質問を題材として話をいたしました。
今回、取り上げたのは、令和三年の和歌山県誕生150年記念式典について。南紀白浜空港を拠点とした空港型地方創生の取り組みについて。そしてメガソーラーの現状と条例解釈についてです。以下が、今日の話の要旨です。
基本的には、議会で取り上げるのは皆さんや地元の方々の意見に基づいて課題を認識し、現場調査や聴き取りや条例解釈などを踏まえて、県民の皆さんの安全と安心に資することであれば議会で取り上げ知事を始めとする当局と議論を交わしています。そこで結果を導き出せるように質疑を交わしているのです。
明治4年11月に和歌山県が誕生していますが、明治維新が起きたことで体制が変わったとしても、明治元年に即座に全ての統治機能や社会構造が変わったものではないのです。新しい体制に移行できたのは4年後だったのです。歴史は明治維新や幕府体制が変わると、一気に時代が変わったように思いますが、そうではなくて実は緩やかに変わっていると思います。先に外国人労働者の人権や労働条件などの課題について説明をいただきましたが、一気に制度整備が進むものではないと思います。法律は施行されてから1年程度の経過措置がありますし、条例においても半年程度の経過措置があります。社会において一気に変化が起きることは稀だと思いますから、緩やかに変化を起こすことができれば社会を前進させることができていると思います。
次に南紀白浜空港は空港型地方創生を目指しています。単なる地方空港ではなくて、空路、バスや鉄道などの陸路を結ぶことで空港から二次交通を確保させています。そのため東京だけではなくて、熊野古道、高野山、和歌山市は交通網でつながっていますが、更に串本町の民間ロケット射場も結ぶことにしています。南紀白浜空港が和歌山県南紀の玄関となり、そこだけに留まることなく和歌山県全体の拠点としての役割を果たそうとしています。
また10月27日から一日6便中、4便が機材の大型化をすることになります。飛行機は余っているものではないので、南紀白浜空港の飛行機が大型化になるということは、どこかの空港で就航している飛行機が小型化されることになったということです。簡単に機材の大型化が図れたものではなく、ここに至るまでには経過があります。是非、東京に行く際は、可能であれば南紀白浜空港を利用していただくことをお願いいたします。
そしてメガソーラーです。令和元年6月議会では知事と太陽光発電に関わる県条例の解釈について議論を交わしました。自治会の同意ではなく、地元の方が一人でも不安に感じているのであれば、県条例では歯止めを掛けるという解釈をします。
そして地元の方々はメガソーラーの専門家ではありませんから、事業者のようにデータに基づく根拠や不安を裏付けできるような合理的根拠を示すことはできません。漠然とした不安を県らに意見として提出してもらえたら、その視点で県は審議会で議題とし事業者と話し合うことにしています。自治会の同意の有無だけで判断するのではなく、地元の皆さんの意見を聞いて不安があれば解消できるかどうか審査する。ここが県条例の要諦なのです。
そして現在開会中の9月議会では、この問題の責任箇所である環境生活部長と議論を交わしました。地元の皆さんの不安から来ている反対署名や意見提起は、条例では記されていませんが、地元の皆さんの意思ですから、不安を裏付ける意味あるものとして審議会において審査に加えてもらうようにしています。
地元の皆さんからの疑問や反対意見があり、不安感が拭えないような場合は、より慎重に厳しく県として審査することになります。この問題は、二度の議会に及んで議論を行い、条例解釈を果たしました。
このように皆さんからの意見を伺い、それを議論することが議会活動の基本ですから、引き続き皆さんからの意見をいただくようお願いいたします。現在開会の9月県議会は金曜日で閉会しますが、皆さんからのご意見があれば調査したうえで次回の12月県議会で取り上げたいと思いますので、併せてお願いいたします。以上です。
- 中心市街地再開発について関係者数人で集まり現状報告と今後の活動について協議を行いました。できることから始めることを確認しました。
- 動物愛護の視点から問題が発生していることを伺いました。まだ全容は分かりませんが、早い段階の今から調査を開始し解決を図りたいと考え、早速、対応を始めました。
- 田畑で時々見受けられる野焼きについて。煙を吸い込んでも健康を害しないか、通学路で煙が発生していることがあり、その場合に子ども達に影響はないのか。調査することにしています。