活動報告・レポート
2019年8月28日(水)
空港型地方創生
空港型地方創生

「空港型地方創生」という言葉を聞きました。これは南紀白浜空港が取り組んでいる施策です。

和歌山県から委託を受けて空港の運営だけを担っているのではなくて、和歌山県や白浜町と共に空港の外のこと、首都圏からの誘客や地域活性化などもやろうとする概念です。

この空港型地方創生は、次のような考え方によるものです。

  1. イノベーションを図ること。新しいサービスをどこよりも先駆けて導入すること。そのための意思決定は迅速に、スピード感を持って経営判断をしています。
  2. 唯一無二へのこだわり。南紀白浜空港から熊野古道や高野山に行くことができます。首都圏から同空港にフライトすれば、そこから直ぐに世界遺産に行くことができるのです。
    他の地域にはないものを売り物にすることが強みです。ここに来なければ体験できないものを売り出しています。
  3. 官民一体。和歌山県と地元白浜町、そして周辺の市町と連携して地域振興につなげています。
    お客さんを送り出してくれる首都圏やアジア諸国などに出掛けて、和歌山県の魅力を伝えて誘客を図っています。

この南紀白浜空港の取り組みが、首都圏からも注目されています。赤字地方空港の運営を受けたのは、空港型地方創生の実現が図れると思ったからです。

スピード感を持った取り組みとして、南紀白浜空港の機材大型化につなげています。これは日本航空が南紀白浜空港と羽田空港の間で運航している定期便の機材大型化を図ったものです。

南紀白浜空港と羽田空港の間は、一日3往復していますが、そのうち朝便と夕便に大型機材が導入されることになりました。座席数は、従来の95席から165席に増席されることになります。時期は令和元年10月27日の運行便からとなります。

これは南紀白浜空港の事業者と国会議員の方々、和歌山県および白浜町などが、日本航空に対して強い要望を行ってきたことから実現が図れたものです。

空港型地方創生は、民営化を図った今年4月から始まったばかりですが、もう既に、このような成果を見せています。世界遺産や和歌山市、そして統合型リゾートやロケット射場などを結ぶルートを創り出せば、首都圏からも外国からも、この空港の利用客が増えていきそうです。

IR型地方創生も同じような概念を持っています。和歌山マリーナシティのIRを中心にして、和歌山市観光と世界遺産の観光につなげ、南紀白浜空港や民間ロケット射場との連携も図ることで、他にはない唯一無二の観光ができます。更に大阪のIRと共に誘致を実現させることで、アジアにあるIR、マカオやシンガポールがライバルになっています。

和歌山市には関西空港が近く、和歌山県内には南紀白浜空港がある。近接している二つの空港を移動で使えるIRは和歌山県だけだと思います。和歌山県では、IR型地方創生も目指した取り組みを行おうとしています。

地域共生

メガソーラー計画地点に暮らしている方が訪ねてくれたので、話を聞かせてもらいました。この計画は、これまで報道されている地点と異なる場所での計画でした。事業者から地元説明会の話があったのは、説明会開催の数日前だったことや、質問に対する答えも納得できるものではないことなどの話でした。企業や発電所が立地する場合は、十分すぎる程、地元の皆さんと協議を行い、共生関係を築いてから具体的に話が進んでいきます。

ところが問題が発生しているこれらの計画は、地元の皆さんとの信頼関係を構築できていないように感じます。その理由は十分に話し合いの機会が確保されていないことや、地元の皆さんの意見を聞いた結果を丁寧に説明していないことなどがあると感じています。

企業立地は地元との調整や合意形成に時間を要します。その中で共生関係を築いていくことになります。時間を区切って話を先に進めようとしてもうまく行かないことがありますから、まずは共生関係を築くことが大事なことだと話し合いました。

少し前の概念ですが、この地域共生の考え方は今も生きていると思います。