和歌山市中学校PTA連合会役員の皆さんから「令和2年度和歌山県立高等学校入学者選抜実施に関する要望」を受け取り懇談しました。毎年、8月に来年3月の高校入試の改善に関わる要望を受けているものです。今回も増田和歌山市PTA連合会長を始めとする役員の皆さんから要望を受け取ったので、これに基づいた対応を行いたいと考えています。
今日に至るまでに連合会長、部長との顔合わせと要望案を受け取ったこと、教育委員会と協議を行ったこと、そして役員の皆さんと今日の会の進め方について協議を行うなどして、当日を迎えました。多くのPTAと教育関係者が関わってくれたことで、この日の会が実現したものです。
本日は世話人を代表して司会を務めさせていただきました。皆さんからの意見を伺い、質問に対応できたと思います。
高校入試は生徒にとって人生の中で訪れる人生の中の大きな試練です。15歳の入試はその後の人生に影響を与えるもので、中学生にとって聳え立つ大きな壁のように感じると思います。自分が中学3年生の時に大きな壁だと感じたことを覚えています。入試は内申があるとしても一発勝負ですから、持っている実力を発揮できるかどうかも大きな鍵となります。本番に強い生徒もいますし、緊張して実力を発揮できない人もいます。
性格は別として緊張しないためには、入試前に十分に勉強しておくことが対策となるのですが、あの頃はそんなことは分かりませんから、僕の場合はとにかく緊張した思い出があります。
入試科目は五科目だったので、午前と午後に跨って試験がありました。ですから母親がお弁当を作ってくれて、お昼時間にお弁当箱を開いたことを明確に覚えています。それは入試に緊張していたため、お弁当箱を開いたけれど、ほとんど食べられなかったからです。お弁当を残して午後からの部に挑みましたが全ての緊張は解けず、何とか午前の科目で出来が良くなかった分を追い上げたつもりですが手応えは散々でした。
できたという自信はなかったのですが、「まぁ、何とかなっているだろう」と思って合格発表の日を待ったものです。しかし合格してるかどうかの自信がなかったので、父親が高校まで発表を見に行ってくれました。結果は予想外の不合格。目の前が真っ暗になったことも鮮明に覚えています。人生初の大きな試練でした。今後のことを相談するために母親と共に学校に行きましたが、学校までの道のりの辛いこと。「中学浪人か」と絶望感に襲われたこともまた、鮮明に覚えています。
ところが幸運なことに定員割れの二校があり、追試の機会を得ることができました。その一校が向陽高校でした。ただ追試の倍率は10倍を超えていたと思います。先生からは「ここは安全策を取ってランクを下げてはどうか」という提案がありましたが、僕は「向陽を受けます」ということで追試に挑むことになったのです。
母親は最初の入試よりも倍率が高く、レベルの高い高校を不合格になった生徒がここを目指してくるため不安がっていましたが、僕は「絶対に大丈夫」と自信がありました。
追試の日を迎えました。追試ではお弁当を全て食べられたように緊張はしなかったので、手応えは十二分にありました。合格発表の日。今度は自分で発表を見に行きました。「やったぁ」合格していました。携帯電話のない時代でしたから、家に帰った時も興奮することなく淡々と「合格したから」と伝えたことも覚えています。
母親も父親も「そう、良かったね」と簡単な言葉を伝えてくれたように思います。追試の合格発表から入学式までの期間は短く、直ぐに入学式を迎えることになります。卒業してから不合格、そして追試で合格までの期間は、まるで何事もなかったように入学式を迎えたのです。
その緊張も絶望も、将来の不安も何事もなかったかのように時間は経過していたのです。
その時、15歳の僕は思いました。「緊張しても不合格でも、絶望感に襲われても、チャンスは訪れるから、問題があってもたいしたことはないんだ」と。そこで考え方が変わりました。勉強をすることよりも大事なことがあると。考え方が変わると中学校の時と違った学生生活になりました。
この高校で過ごした三年間の密度は濃く、現在に至ってもクラス会を開催している程の仲間に恵まれました。
そんなことを思い出しながら、大切な中学生の進路決定に関係する要望と質疑の司会をさせてもらいました。中学生の皆さんを全力で応援しています。
既に和歌山県が立候補を表明している統合型リゾートですが、和歌山県で事業を行いたいと考えている事業者からのプレゼンテーションとパネルディスカスを聞かせてもらいました。事業者からのプレゼンは和歌山県らしさが感じられ、和歌山リゾートの夢が浮かんできました。和歌山マリーナシティが世界レベルの島になっている姿をイメージ図から想像すると嬉しくなってきます。日本版の統合型リゾートは、地元の人に喜ばれることが成功の定義だということです。
外国人から見た和歌山県は「静けさ」と「美しさ」だそうで、そこに「アクション」の要素を加えることが魅力を高めることになるということです。今の和歌山県に統合型リゾートを加えると、世界からお客さんに来てもらえる地域になります。IR型地方創生に向けた取り組みに期待しています。
またシンポジウムでは、IRが地域に与える経済効果について、マカオの事例を紹介してくれました。17年前のマカオの年間総収入の90パーセントはIRでしたが、現在IRの占める比率は50パーセントに低下しています。つまり総収入の40パーセントは地元企業の売り上げになっているように、地元企業に経済効果が波及しているのです。これだけ大きな経済効果を地元に齎してくれる業種はそれほど多くないと思います。