活動報告・レポート
2019年8月23日(金)
社会貢献活動
社会貢献活動

児童養護施設の運営に携わっている二か所の方々と懇談する機会をいただきました。恵まれない子ども達を見守り育てている関係者の方々に心から敬意を表します。学校のある時間は別として休日など24時間、子ども達と一緒にいる方々の取り組みを聞かせてもらい、「これは誰でもできることではないな」と思いました。多くの方からの支援をいただかないことには運営できない状況にあることも知りました。

社会から支援を必要とされている子ども達の支援をする人がいないことには、これらの施設の子ども達の将来はありません。親やこれまで子ども達の周囲にいた大人への不信があることが問題なので、施設関係者は子ども達が18歳になった時に、自立できていることを念頭においています。大人を信用できないと思っている子ども達に「大人は信用できる」と思ってもらうことが、少しでもご縁のある大人としての役割だと思います。

それぞれの施設は行政に対して、子ども達が生活できる環境整備を求めていますが、現場実態を把握していない行政の取り組みは遅いと思います。幸い、社会貢献活動を実施している人や団体の支援をいただけているので運営できていますが、個人の支援がなければ児童養護施設の運営は成り立たないと感じます。

今日の話し合いで思ったことは、「誰かが支援しているから支援しなくても大丈夫」だと思うことは正しくないということです。「誰かが支援しているのだから僕がやらなくても大丈夫」だと思うことは正しくないということです。その誰かがいるから、それ以上の支援の必要はないと思うことはあり得ないと感じました。児童養護施設の子ども達を支援したいと思う人は支援しますし、そう思わなければ支援する社会的責務はないと思います。

やれる人、やりたいと思う人が、これらの児童養護施設を支援すれば良いのであって、これらの関係者は何も求めていないのです。この施設を訪問した時にボランティア精神のある人と出会いましたが、支援をやるかやらないかではなくて、やりたいとやりたくないかが判断基準になるということです。支援したいと思う人はやれば良いことですし、支援する必要はないと思う人はしなくても良いのです。

ただ継続することが子ども達の力になる事例があるので紹介します。10年ぐらい前に、この施設の理事長にスイミング施設経営者を紹介したことがあります。その方は、「子ども達は水泳を習いたくても月謝が高くて習えないです」という理事長の話に対して、「子ども達の利用料は考えないで下さい。できる限りの支援はします」と対応してくれたのです。

それから10年が経過しています。水泳を習ったことのない子ども達が水泳を習い始め、成果が表れ始めました。ある年の和歌山市内の水泳大会において、この児童養護施設の子どもが優勝したのです。優勝した子どもも施設の子ども達も、この快挙に大層喜びました。その時の理事長は「もし水泳を習える環境がなければ優勝なんてできなかったと思います。子どもの頑張りは称えるべきですが、支援してくれた皆さんに感謝するばかりです」と話してくれたことがあります。

社会貢献活動はボランティアなので見返りを求めないことであり、奉仕の精神を持っている人がやるべきことです。蛇足ですが、水泳教室にこの施設の子ども達は今も通っています。スイミング教室の経営者は「10年もやっているから、もういいだろう」とは思っていません。むしろ「これからも子ども達が練習をしたいと思うのなら利用して下さい」と話してくれていいます。

支援を必要としてる人がいれば、そこに必要な支援を継続することが社会貢献だと思います。

社会貢献活動のあり方について、関わり方や関わっている皆さんの支援をしようと思う気持ちなど、色々なことを考えさせられました。純粋に子ども達の応援をしようと思って資金援助や自分の時間を提供している人達のことを、あれこれ言うことは良くないと思います。

その他
  • 太陽光発電の最近の動向に関して情報交換を行いました。どんな事業でも、地元の皆さんの同意を得て、気持ちよくスタートさせることが必要なことです。
  • 和歌山市から京都市などに転勤した皆さんの送別会がありました。和歌山市で勤務した経験を他府県での仕事に生かしてくれていることを嬉しく思います。