毎年開催している紀伊半島三県議会交流会議に参加しました。三県の共通の課題を話し合い、意見をまとめ、国に対しての要望活動につなげています。
今回は奈良県が幹事県を務めてくれましたが、今回の議題は以下の通りです。
1.医師の確保に向けた取り組みについて。
2.紀伊半島における道路ネットワークの整備促進について。
以上の2点を議題として協議を行いました。
医師の確保に関しては過疎地域での医師不足が課題となっていますが、これは三県の共通した課題です。
和歌山県は人口10万人当たりの医師の数は全国平均よりも高くなっていますが地域によって格差があります。医師の数は増加していますが、住む地域によって医療体制に差が生じていることが問題になっています。また小児科、産科などの特定の診療科での医師が減少するという診療科の偏在も課題です。
和歌山県の対策は、県立医科大学に県民医療枠20名を設けていること、地域医療枠10名の枠を設けていることがあります。これらの卒業医師が地域医療に従事していますが、まだ十分ではないところです。
また地域医療支援センターではテレビ会議を利用した遠隔医療支援システムにより、地域医療に携わる医師のサポートを行っています。遠隔救急支援システムの運用も開始しています。和歌山県から、これらの取り組みの紹介を行いました。
2.紀伊半島における道路ネットワークの整備促進について。高速道路の早期完成のため必要な予算の確保や事業推進について連携を行い、国に要望を行っているところです。今後とも三県が連携を図り、紀伊半島アンカールートを始め広域的な幹線道路ネットワークの整備のために必要な予算確保と、事業中区間の早期完成について継続して協力体制を整え要望を行うことにしています。
会議でこれらの議題を協議した結果をまとめました。この三県がまとめた結果を国に対して要望することにしています。
- 医師の確保に関しては、医師の確保が困難な市町村が存在していること、診療科が偏在していることから解消に向けた取り組みを行っています。これら三県の課題を解決するため、引き続いての情報交換を行うことにしました。そして地域医療を維持することができるよう地域医療介護総合確保基金の確保など、財政的支援を国に要望することで合意しました。
- 紀伊半島における道路ネットワークの整備促進に関しても、国に要望を行うことで合意しました。半島における道路ネットワークの整備は、大規模災害発生時の救援や早期復旧に欠かせない「命の道」であり、観光振興や農林水産業の振興、企業立地など地域活性化に資することから、計画道路の早期実現と整備を行う必要があります。
そこで紀伊半島アンカールートを始め、広域的な幹線道路ネットワークの早期整備に向けて三県が連携して国に対して要望活動を行うことにしました。
続いてキトラ古墳の説明と視察を行いました。西暦700年頃の古墳の壁面に描かれた壁画は高松塚古墳のものよりも古く、人類の宝ともいえる貴重なものになっています。保存と修復作業を行っていますが、この中で修復を進めている「朱雀」壁画が公開されています。
実物を見ることができ、人類の財産になるものの凄さを感じました。参考までに、キトラ古墳の「キトラ」とは定まったものではありませんが「亀と虎」から来ている説が有力だと説明してくれました。
視察を終えて和歌山市に戻りましたが、来年の開催県は和歌山県ですから、今回交わした議論を基に、課題と要望事項を検討することとしています。