活動報告・レポート
2019年7月19日(金)
神様からの電話
質量転化

「量は質に変わらない、質が量を増やしてくれます」という話を聞いたこと。「量質転化」という言葉があります。これはとにかく量を増やしていくと質の良いものも量に比例して増えていくものなので、まずは量を増やすことを意味しています。その考えは正しいと思いますが、逆の考え方を聞かせていただき、物の見方は固定してはいけないと思いました。

組織においては、質の良い人材を集めて核とすることで量が増えていく、というものです。まずは人材を集めて組織力を高めることで、自然と人は集まってくるという考え方です。

こちらも正解だと思います。つまりその時の状況や組織の形態によって「質量転化」なのか「量質転化」なのか違ってくるので、何を選択するべきか見極めることが大事だと思います。

良い人材が集まると人が増えてくるのか、人を集める中から人材が生まれるのか。状況によって違いますから、どんな方法を取るのか見抜きたいものです。

現場感覚

中国から友人が訪ねてくれました。僕にお礼を伝えるために、わざわざ和歌山市まで来てくれたことに感謝しています。遠方より友が来てくれることは嬉しいもので、言葉よりも行動に感動しています。中国の医療や福祉についての話も聞かせてもらいましたし、マカオの様子も伝えてもらいました。直接、話を聞かせてもらうことで分かることがありますし、より実態に近いところに接近していくことができます。報道、インターネットだけではなく、直接、話を聞くことで実態に近づけるので、現場感覚を大事にしたいと考えています。

多くの場合、親切な人は親切な人を招いてくれます。親切な人同士が会っている時や会話を交わしている時は、温かく心の安らぐ時間を過ごすことができます。そうでない場合、時間は遅々となりながら刻まれていきますし、居心地の良い時間とは感じません。

人生は常に限られた時間の中にいますから、気持ちの良い時間を過ごすようにしたいものです。そのためには親切で温かい人達との時間をたくさん持ちたいと思います。温かくて安らげる時間を過ごすことができれば、その日は楽しい一日になります。

神様からの電話

午後7時49分、神様から電話が掛かってきました。それは中学校の時の同級生M君からの電話で、天の配剤と言うべきタイミングでした。M君は「子どもみたいなことを言って申し訳ないのですが、片桐君の声が聴きたくなりました。とても忙しくしている片桐君の迷惑になるかなと思いながら電話をしたのですが、出てくれるとは思いませんでした。ありがとう」と切り出してくれました。

僕は電話で「Mちゃん、この電話は神様からの電話です。こんなタイミングで電話をくれるとは、本当に嬉しいことです。今『そうだ、Mちゃんがいたんだ』と思っています。電話をかけてくれて感謝を言うのは僕の方です」と答えました。

彼は治る見込みの少ない難病と闘っていて令和元年5月以降も二度、入院を繰り返して、先週、自宅に戻ったばかりなのです。治る見込みの少ない難病と闘い、しかも「今、退院しておかなければ8月の仕事に支障をきたすので戻ってきました」と話してくれました。確かに彼がいなければ困る人が出てきますから、人に迷惑をかけないように自分の身体よりも人の気持ちを大切にしているのです。

「待ってくれている人がいることを分かっていますが、今はまず、自分の身体を大事にして下さい」と伝えました。しかし、自分のことよりも人のことを助けたいと思って行動している同級生である友人を、僕は心から尊敬しています。自分のことよりも助けを求めてくる人を「何とかしよう」と思って、人に依頼するだとか、会ってもらうなどの行動をしています。時に、紹介した人がいい加減な人もあり、M君が紹介した人などから非難されることがありますが、それでも人を信じることを行動の基準として活動していることを凄いと思います。

自分を頼ってきた人を「何とか助けよう」、「紹介すれば事態は動くだろう」と思って紹介したところ、その人が相手に対して不誠実な姿勢を取られることがあります。そんな時、批判の矢は紹介者である僕に向いて来るのです。人の親切を何とも思わないで平気な人がいるため心を痛めることがありますが、M君の日常の行動や難病との闘いの凄まじさを知っているので、「僕が思っていることはたいしたことではない」と思いました。

この日、この時間に電話をかけてくれたことは正に神様からの電話なので、再度M君に伝えると「神様は神様でも疫病神です」と笑いながら話してくれました。疫病神も神様ですから、神様からの電話と言葉に勇気をいただきました。

M君が大切にしている言葉です。「実るほど首を垂れる稲穂かな」。何歳になっても、どんな立場になっても、心に刻んでおきたい言葉です。

難病と闘いながらも、入退院を繰り返しながらも、そして苦しくても電話をかけて声を掛けてくれたM君。会える日を楽しみにしています。