活動報告・レポート
2019年7月15日(祝・月)
昨日の議会報告会の続き

民主主義で大切なことがあります。民主主義は多数決で結論を導くのですが、少数意見をどう考えるかです。多数決で押し切っても良いと考えるのは民主主義の精神に反しています。少数意見を留保することが民主主義なのです。

社会問題が発生し物事を決める時、それに関係する人の意見は賛成か反対に分かれることは珍しくありません。多数派の意見は尊重されるべきですが、少数派の意見も聴く姿勢を持たないのではなく、意見を聴いてその中に反映できないか考えることが必要です。少数意見を聴く姿勢を持たないと、やがて少数派に属する人は意見が言えなくなり、多数派寄りの人が大勢を占める事態になります。

結果として多数派の意見が採用されるとしても、決めるまでの議論の過程の中で少数派の意見を聴いて計画に反映できる箇所はないかどうかを検討して、取り入れられるものは採用する、どうしても無理なら無理な理由を示してから提示された案を採決すること。それが少数意見の留保であり民主主義の基本なのです。

時間をかけて議論を尽くすことがそれに該当すると思います。会社や営利団体であれば、利潤をあげるという目的が明確ですから、トップダウンによって利益を最大にするための方法を決めても良いと思います。しかし行政課題の方向性を見出すためには議論を行い、最終は多数決で採決します。時間を区切って最適な結論を出す必要がありますから、民主主義のルールに沿って結論を出すのです。議会は民主主義に沿って結論を出しますから、限られた時間内で十分に議論を尽くしたうえで採決をしています。

昨日、若い人達に伝えたことは、「少数派の意見を無視したり、批判するだけで取り上げようともしない態度は良くないですよ」ということでした。最終的に納得するかどうかは別として、納得してもらえるような形の議論を交わし、それでも双方折り合わなければ多数決で賛否を取るのです。10人いて5人と5人に分かれた場合は相手の立場も考えて十分に議論をしますが、10人いて9人と1人に分かれた場合は議論をしても結論は変わらないので、押し切るような形で結論を導こうとすることがあります。

見解の相違があった場合でも、相手の意見を聴く姿勢を持ち、その上で結論を導く方法を取ることがルールです。昨日議会報告会に参加してくれた若い皆さんには、立場の弱い人を追い込むのではなく話し合いをした結果、同意できないので物事が前に進まなくなった時、多数決で決めることも方法であることを伝えました。現代社会のルールを知ったうえで物事を進めることが基本です。若い人には、進めることのできる強さと相手を思いやれる優しさを持ち合わせて欲しいと願っています。

第二部の座談会では、皆さんからたくさんの意見が出ました。これは議員の存在を身近に感じてもらえたからだと思いますし、言うことを恐れずに意見を出してくれたことは政治に関心を持ってくれたからだと思います。もっと言えば政治に期待できると思ったから意見を言ってくれたと考えています。相手に期待できなければ、その人に意見を言っても仕方ないと思い発言しないからです。参加してくれた皆さんのこれからの活動や言葉に、人生の先輩である僕が伝えたことが反映されるなら嬉しいことです。

彼、彼女達は和歌山県の観光PRについて意見を出し合いまとめて、他府県の皆さんとの交流会の場で発表することを聞きました。是非、今回の皆さんが発表する和歌山県の観光PRが一番評価されることを期待しています。