現代はコンテンツがとても大事な社会になっています。ハードも大事ですがコンテンツのおもしろさや豊富さがより重要です。日本にはアニメや漫画、ゲームなどコンテンツが豊富にありますが、そのまま外国語に訳し移出しても、その国で受け入れられるかどうか分かりません。国によって文化が異なりますから、日本文化をそのまま直訳して持って行っても受け入れられるかどうか疑問です。私達が外国文化を素直に受け入れられるかどうか考えると分かることです。
ですから文化を外国に持っていくためには、その国の文化に沿うような姿に加工して日本文化を紹介する必要があります。日本人が日本文化を語るよりも、日本に長年住んで日本文化を理解している外国人が日本語を適切な外国語に訳してコンテンツを持っていくようにすれば、受け入れてもらい易くなります。
本日は、日本の漫画やアニメ、ゲームなどを外国語に訳して、その国で受け入れてもらいやすいコンテンツとして商品化している会社を訪問しました。
日本のコンテンツは優れていると思いますが、そのまま外国に持っていくことはできないので、紹介の仕方次第で受け入れてもらえることになります。クールジャパンは、日本文化を知り日本文化を外国に紹介したいと思っている外国人によって紹介されている分野もあるのです。この会社の外国人は、日本文化を深く考えることのない日本人よりも日本文化の本質を知っているかも知れません。何故なら、これによって利益を上げているのですから、日本文化を知らないで外国に持っていっても利益は上げられないからです。
そんな外国人の視点から、日本での統合型リゾートについて意見を伺いました。
日本での成功の鍵は人材を揃えることです。例えば大阪府が計画している雇用人数は8万人ですが、半数の4万人ぐらいはバイリンガルが求められます。お客さんは欧米や中国から来てくれますが、お客さんはお金を賭けて楽しむからです。大事なお金を賭けるのですから言葉が通じないでは仕事になりません。外国人と会話ができる、理解できる、要望に応えられるだけの言葉力が求められます。そんな人材を揃えることができる、将来に亘って育成できることが日本のIRの重要なポイントとなります。
推測ですが、日本でIRが出来たとして、売り上げの約70パーセントは外国人からとなるようです。ですから言葉が通じない、エンターテイメントとしてのサービスレベルが悪いようでは、日本でのIRはビジネスとして成り立たないのです。
和歌山県での統合型リゾートの可能性としてヨーロッパ型を目指すべきだと指摘がありました。それは和歌山県には優れた自然環境があり、それを生かすこと、共存することで差異化を図れるからです。現在、候補地として言われている場所の中で、日没のきれいさは和歌山マリーナシティが飛び抜けています。日没のきれいさを売り物にしたショーやエンターテイメントを提供できるのは和歌山県だけです。このような強みを生かしたIRの事業計画を考えることも大切です。
カジノとはエンターテイメントの時間を過ごす時間のことであって、ギャンブルという言葉で括れないものです。どちらかというと和歌山県はヨーロッパ型のIRを目指して欲しいという話をいただきました。
ヨーロッパ型は品格と格式が問われるそうです。競馬文化と良く似ていて、ヨーロッパの競馬は正装が必要で格式が高いスポーツで、ギャンブルという括りに馴染まないそうです。元はエンターテイメントであったものが国を超えて姿かたちを変えてギャンブルになっていることもあります。日本はそんなヨーロッパ型IRを目指すべきだと話があり、特に和歌山県は他の府県と差をつけられるようなIRを目指して欲しい。そんな考え方を聞かせてもらいました。