午前9時から議会報告会を行いました。参加してくれたのは20歳代の皆さんで、議会の役割や県政と私達の仕事や生活の関りなどを説明しました。説明したのは次の項目です。
- 台風により地域が被害を受けた場合の行政の対応について。
- 大規模な森林開発を伴う案件がある場合の行政の対応について。
- 皆さんからの意見を議会で取り上げることの効果について。
- 今後4年間の県政について。
以上の項目について説明を行いました。生活、仕事と共に政治も私達に関係のあるものだと意識することを話しました。社会との接点が増えてくるにつれて、政治が仕事などと関係してくることになります。そんな時は情報連携を行うことで対応できることもあるので相談してもらうよう訴えました。
まずは県政とは何なのか、関心を持ってもらいたいと思います。関心が向くことで動きが分かってくると思います。
森の小径レストランを訪ねました。春先に事業主体の社会福祉法人から「是非、この施設を見学に来て下さい」と案内をいただいていました。そのため今日の訪問が実現したものです。このレストランは就労継続支援B型就労移行支援の事業所となっています。
そのためこのレストランで働いているのは障がいを抱えている方々ですが、働き甲斐を見つけているので生き生きとしています。レストラン内のフロア担当、案内係、厨房内を担当している人など、みんながそれぞれの役割を担っています。
レストランに案内してくれる人もフロア担当の人も、接する皆さんは元気で明るく、お客さんと接することにやりがいを持っているように感じました。経営者の方々とレストラン内で食事をとったのですが、「ここで働いている皆さんは、どんな仕事であっても同じ賃金にしました。以前は、仕事内容に応じて賃金設定をしていたのですが、それではいけないことに気付いたからです。良く働いていると評価していたのは、健常者と同じような動きをしている人だと錯覚していたのです。そのものさしはおかしいと思い、『いらっしゃいませ』と挨拶を担当している人も、フロアでお客さんを案内したり、配膳をしている人も、同じ価値を持っているのです。
障害を抱えているので人によって『できること、できないこと』はあります。そのことに差をつけることはいけないと思いました。そこで同じ賃金体系にしたのです。サービス業は障がいを抱えている人にとって働くことが難しい仕事です。中でも接客は、お客さんと直接話をすること、サービスを提供することになりますから、お客さんの反応も直接になります。叱られることや苦言を呈されることもありますが、それは働く人にとって勉強になると捉えています。『障がいがあるから特別』と逃げることなく、お客さんへの対応も責任をもって行うと自覚することが働いていることだと分かりますし、どんな職場でも働けることになるからです」という趣旨の話をしてくれました。
この森の小径には、乗馬クラブも併設していて、障がいのある方も馬のお世話などの仕事をしています。同じくここも、就労継続支援B型就労移行支援の事業所であり、厩舎内で生き生きと仕事をしていました。
障がい者や引きこもりの方に効果があるとされているものにホースセラピーがあります。以前、和歌山市片男波で開催したことがありますが、ここではそれを実現しています。馬の体温は約40度で温かく、皮膚が薄いこともあり、馬に触れると体温が伝わってきます。
この心地よさが安堵を感じさせてくれるのです。
ここにはサラブレッドを含めて25頭の馬がいますから、利用者も多くお世話をする皆さんの仕事もやりがいがあると聞きました。
経営者からは「障がい者が運営しているレストランだからという甘えはありません。美味しい食事を採れたての野菜を使って提供しています。甘えていてはお客さんに来てもらえません。品質が良くて美味しいものをお客さんに提供しているので、地域の方々に支持されているのだと思います」と話してくれました。
ところでこのレストランは作業所の方々も利用していることを聞きました。作業所で働く人の中にはレストランで食事をしたことのない人もいて、ここで食事ができたことを、とても喜んでいたそうです。「40歳になって初めてレストランで食事をした」と喜んでいたことを聞きました。
事前にレストラン関係者は、作業所の皆さんに対してレストランでの食事のマナーを教えるなど、気持ちよく食事ができるようにしていたことも付け加えておきます。
この施設の敷地面積は7ヘクタール。レストラン、馬場、屋内馬場、厩舎など、障がい者の皆さんを含めて就労するための素晴らしい環境が整えられています。
和歌山県においても就労支援のあり方の参考になりますし、和歌山県内でも実現させたい事業だと思います。