県議会は今日から一般質問に入りました。四人の議員が登壇し、統合型リゾートなど県政の課題について論戦が繰り広げられました。統合型リゾートの政府スケジュールは遅延していて、基本計画が示されるのは秋以降になるようです。そのため和歌山県が計画できるのは来年になり、事業者選定も遅れることになります。ただ候補地の和歌山マリーナシティはインフラが整っていることから、政府から認定された場合、2024年の開業に向けて動き出すことになります。当初の予定計画通りの開業を目指すことを示してくれました。
ところで僕も、統合型リゾートに関して関係者から意見を聞いています。それによると人材確保が大きな課題になりそうだということです。和歌山県の雇用は約二万人が必要と試算されています。
カジノを含む統合型リゾートが求める人材は、現在の日本には少ないので、今から養成する必要があります。養成機関はシンガポールにあるそうなので、そこで学んでもらうことが求められると思いますが、これだけ専門性のある人材を短期間で養成することは簡単なことではないようです。
和歌山県と組む事業者にとっても、二万人もの人材を確保することは簡単ではありませんから、克服していく課題は多いようです。ただ和歌山県で統合型リゾートの誘致が決まれば県内雇用は確実に増えることになりますし、これに代わるような産業が和歌山県に進出してくれない限り、同程度の雇用を図ることは難しいと思います。
スペインから和歌山県に来てくれた方がいます。「和歌山県の海は素晴らしいと思います。中でもすさみ町から串本町にかけてドライブすると、視界に入ってくる海岸線の美しさは日本一だと思います。この景観は和歌山県の誇るべきものであり、もっと国内、外国に発信していくべきだと思います」という意見を聞かせてくれました。
地元にいると気づかない自然環境があります。この景観が当たり前だと思っているので、その価値に気づかないのです。かつて熊野古道がまだ世界遺産でなかった頃、「何もない山道」という地元の方からの話を聞いたことを覚えています。「こんな山道が博覧会の舞台になるのですか」、「観光客はこんなところに来ないですよ」という意見がありました。ですから「博覧会を開催してもそんなにお客さんは来ないと思うし、世界遺産になんか認定されないですよ」という声もあったことを覚えています。
後に世界遺産になる光景でさえそんな評価でしたから、地元にとって日常見慣れた光景はその価値に気づかないのです。和歌山県の自然環境は外国の人から見ると価値があり、「ラスベガスやマカオではなく、欧州型の統合型リゾートを目指して欲しいと思います」という意見につながっているのです。
各界の方々の意見を聞くことは、見える価値を広めることになります。和歌山県が有している価値を信じて、県政での取り組みを県内外に発信したいと考えています。
和歌山市内で「現場を見て欲しい」と依頼のあった空き家と空き地に関しての調査を行い対応しています。空き家対策は行政で対応しているところですが、空き地は対応のしようがなく、和歌山市内では放置された状態になっています。空き地も管理者がいないことから雑草が茂っているので、近隣では火災、害虫発生、災害発生時の不安などがあります。
空き地も空き家と同様、所有者が判明していないことが多いので近隣の方では対応のしようがないのです。行政の空き家対策の力をお借りしたいと思います。