活動報告・レポート
2019年1月28日(月)
好かれること
好かれること

「人に好かれなければ仕事はできません」という話を聞かせてもらいました。この話は次のような主旨のものです。

官僚は府県など地方自治体に出向するケースがあります。出向期間は2年から3年ですが、この期間、府県の職員さんと仲良くなることが求められます。一つは管理者としての能力を試されることであり、チームで仕事をすることを学ぶこと。そして職場の方から好かれることが必要なことだそうです。出向期間が満了すると省庁に戻ることになりますが、その時に府県でどれだけ好かれていたのか試されます。

出向期間中、府県の職員さんに好かれていた官僚であれば、府県の職員さんが東京に出張する時、省庁を訪ねてきてくれます。「〇〇課長、和歌山県の時はお世話になりました。今日、上京したので課長の顔を見たいと思って立ち寄りました」などの挨拶をします。

府県の職員さんが省庁を訪ねてくれることは、出向期間中、好かれていた証拠になります。〇〇課長の周囲の職員さんは、府県から職員さんが度々訪ねてくることが分かりますから、「〇〇課長は好かれていたようだ」と思います。それが仕事するうえでとても大事な要素になります。仕事ができることと人に好かれることは将来を左右する要素です。

仕事ができても人に好かれていなければトップには立てません。多くの仕事はチーム力が大切なのでリーダーのまとめる力や人柄が求められます。府県において職員さんに好かれていたことは、人柄、リーダー性が分かる事例となるものです。

もし〇〇課長が府県で好かれていなければ、東京出張の際、省庁を訪ねてくることはないからです。嫌いな人を貴重な時間を割いて訪ねる人はいないからです。

現代社会において、人に好かれることは、将来、飛躍するために絶対必要な条件となります。

もうひとつ。好かれる人がトップに立つことの利点があります。「この人がトップならば、この人のために一所懸命に働こう」、「この人であれば自分に与えられた役割を果たそう」などと思います。職員さんのこの気持ちは組織力を高める効果があります。

もし嫌われている人がトップに立つと組織は違う結果になります。「あの人がトップになるなら、ここにいなくなるまでのこれからの2年間は適当にやろう」、「あの人のために仕事はしたくないな」などと思うことになり、組織力は低下することになります。

職場の空気が「引き締まり高まる」ことと「緩むこと」とでは仕事の成果が違ったものになります。だから「この人のためにやろう」と思ってもらうことと「この人にはついていけない」と思われることでは、職場の空気は違ったものになりますし、成果は違ったものとして現れます。

トップの人柄が組織力を高めることや低下させることになりますから、人に好かれることが大事なことだと分かります。

トップの役割

組織に所属して役割を果たすことは難しいことです。動きのある全てのことに人が関係するからです。組織で大切なことはトップなど上司が部下のところに降りてくることです。

組織内で問題が発生した時、上司が部下の位置まで下りてきて話を聞くこと、方向性を考えることが上司の役割なのです。

ここで先輩からの例え話を思い出します。「手を広げて親指と小指を合わせるためには親指を小指に持っていく必要があります。小指から親指に近づくことはできません。上司が部下のところまで行く必要があるのです」という話です。

つまり上司が部下の心情を分かるために話を聞く必要があります。上司が部下の話を聞くことが組織では必要なことで、部下が上司の話を聞くことはありません。問題が起きる組織は上司が部下の話を聞かないこと。トップが人の話を聞かないことが原因していることが多いのです。

問題が発生している組織はトップが考え直さなければならないと思います。