活動報告・レポート
2019年1月3日(木)
宇宙と和歌山県

JAXAからU先生が講師をお願いしている講演会の打ち合わせのため、事務所を訪ねてくれました。東京から和歌山市まで来て、打ち合わせの機会を設けてくれたことに感謝しています。

JAXAと和歌山県教育委員会は「スペースティーチャーズ」に関する協定を締結している県であり、宇宙教育に取り組んでいる県でもあります。JAXAにとっても大事な県であり、和歌山県にとってはJAXAと提携していることは他にはあり得ないことなので誇りに思えることです。

講演会では宇宙と産業、宇宙と防衛などのテーマについて講義をしていただく予定としました。和歌山県には平成23年度から宇宙教育を実践しているので、宇宙ビジネスのため民間射場を受け入れるための土壌があり、人材を輩出するための教育の積み重ねがあります。これが大きなアドバンテージになっていることも、民間射場誘致のための後押しになると思います。何故なら産業に必要なものは人材ですから、人材がいることが研究所や工場を立地する条件になるからです。産業を担う人材は教育によることになります。教育こそ人材を作るものであり、地域の産業振興につながる絶対条件です。

和歌山県にスペースティーチャーズが存在していること、宇宙教育を実践していることから宇宙産業に必要な人材を輩出できることなどが和歌山県の優位性です。これからも継続した宇宙教育を実施することで、民間射場の誘致と周辺産業の配備を図りたいと考えています。

「射場でロケットが飛び立つ場面を見た日本人は少ないと思います。打ち上げ回数が多ければ、それだけで観光資源になります。しかし年間に数回の発射であれば観光産業にならないので、産業化のためには工夫が必要です」ということです。

部品工場は既にあるので和歌山県に輸送してくるのではなく、地元で組み立てる工場を立地すること、或いは和歌山県内で部材供給ができる体制を整えることによって働く場所と経済効果が生まれます。単にロケットを飛ばすだけでは、思っているよりも経済効果は少ないようですから、国内外の観光と工場の立地と人材養成を図ることが和歌山県として必要なことです。子ども達のための教育機関の設立も絶対必要です。

民間射場を受け入れて経済効果を高めるためには、和歌山県として産業化を図るための取り組みが求められることになります。

それだけやる価値はあると思います。宇宙は夢があり人材育成の大きな手段となるからです。そのためには和歌山県だけが有しているスペースティーチャーズの活躍する場面をつくり出すことを更に推し進めたいと考えています。

もうひとつ。アメリカやロシア、中国など世界中において宇宙開発は熾烈を極めています。しかし日本こそ宇宙開発でトップに立つべき国です。宇宙開発をビジネスだけに捉えないで平和を築くことを目的にできる価値を有しているのは日本だけだからです。

月や火星などに、国による覇権争いの結果として国旗が立ち並ぶ光景は見たくありません。日本が最初にこれらの星に降り立ち、境界がなく国旗が乱立しない宇宙開発にしたいと思います。

またフランスも宇宙開発の先進国ですが、日本に関心が高いようです。中でも熊野や高野山のことを知っている人が多いようで、和歌山県が宇宙教育を進めているのであれば、今後の活動に関してマッチできる可能性もあるように感じました。

講演会開催に際しての産業、防衛、教育などの観点での打ち合わせは有意義な時間となりました。