活動報告・レポート
2018年11月24日(土)
河瀬桜
河瀬桜

神奈川県の河瀬桜の苗木の寄贈を受けました。「和歌山市内に河瀬桜を咲かせて下さい」と伝えていただき、こばと学園に植樹することになりました。地元の皆さんと協議をして、近日中に同学園に植樹することにしました。

この機会に地元のKさんと懇談の時間をいただきました。昭和27年にこの地域で河川の氾濫があり、三名の地元の人が流されて命を落とした歴史があることを伺いました。山からの洪水で河川が増水し、家屋侵入、家屋倒壊などの被害があったようです。水害で一人の方は、紀の川から紀伊水道、神戸市の和田岬まで流されていたようです。水害から一週間が経過した後にこの方が和田岬で発見され、同人物だと特定されたそうです。

こんな悲しい歴史があることから山からの水害を現在に語り継ぐと共に、水害被害を防止するための活動をしていることを知りました。

地域に残る記憶は先人から聞いておかなければ記憶も歴史も絶えてしまいます。記録されていない記憶は誰かが語り継ぐことが必要で、それをしなければ記憶は消え去り、再び同じ被害を受ける歴史が繰り返されることになります。地域に伝わる話を引き継ぐことは大切ですし、記録することもまた大事なことだと感じました。直接体験した人でなければ状況を正確に伝えることは難しいものです。体験者から話を聞いた人がその話を記録して残すことが歴史を伝えることになります。

地域の出来事や歴史を伝えることはとても大事なことだと思います。既に昭和50年代の出来事でさえ風化していることがあります。今の30歳台以下の人は昭和50年代を生きていませんから、語ることはできないのです。データとして記録されている歴史はありますが、直接、生きた人から詳しく聞いていなければ記憶に残りませんし、記憶にないものは伝えることはできません。もっと言えば記憶にあるだけでは伝えることはできません。聴いた話に感動しなければ伝えるべき記憶として残らないのです。

人を感動させることができない話は、たくさんの出来事の中で記憶する話にはならないのです。昭和50年代に子どもだった僕は先の第二次世界大戦の話を聞きましたが、しっかりとした記憶になっていません。真剣に聞いていなかったことや、戦争の話が遠い時代の出来事で再び起こることはないと思っていたからです。今となってはもっと先人の話を聞いておけば良かったと思うばかりです。先人達から話を聞くことができる時に、生きた時代の話を聞いておくことが如何に大事なことなのか。そう感じるばかりです。

今回植樹する河瀬桜の苗木は数年かけて成長し、花を咲かせてくれると思います。今日、Kさんと話し合った昭和27年の水害の話や地域に伝わる話は桜が聴いてくれたので、この話が子ども達にも伝われば嬉しいことです。

先人から地域に伝わる歴史を聞くことはとても大事なことだと思っているので、何かの機会に取り上げることによって語り継ぐ機会を持ちたいと考えています。

皆さんのお宅を訪ねることで聞かせてもらえる話は、地域にとって語り継ぐべき歴史であることが多いのです。和歌山県政に携わる一人として大切にしたい歴史だと思っています。Kさんは屋根のペンキを塗っている途中でしたが、屋根から降りてきてくれて話を聞かせてもらいました。ありがとうございました。

こばと学園の子ども達が河瀬桜と共に成長してくれることを祈っています。明日は学園の子ども達と食事会を行います。