活動報告・レポート
2018年11月13日(火)
別れの日

別れの日のつらさは何度も体験していますが、こんな辛い別れは初めての体験です。

母と子どもの絆はより深く、この世で一番深いものかも知れません。そんな体験はしたくありませんが、体験する日が訪れています。

「章浩がいるから頑張れている。もし章浩がいなかったらこんなに元気でいられなかったかも知れない」と話していたことを伝えてもらいました。「お母さんにとって章浩君は生き甲斐だったから、誰にも言わなかったけれど皆さんの支持を得て県会議員を務めていることを嬉しく思っていたと思います」と話してくれました。

また「いつも選挙前の不安は感じていたようです。10月の『感謝のつどい』の会場でお母さんは『これだけの人に来てもらえて本当に感謝しています。少し安心できました』と笑顔でいましたよ」と話してくれた人もいます。

そして今朝、弔問に訪ねてくれた人からは「今日、火曜日はお母さんとドーナツを食べるために集まる日でした。こんなことになっているなんて悲し過ぎます。私にとって一番の親友でした。でも今日の約束ですからドーナツを持ってきたので食べてもらって下さい」と改めてドーナツを持参してくれました。

そして「感謝の集いを終えた翌日からお母さんは後援会はがきを持って私の家にも来てくれました。そして近所の人の家も訪ねて後援会の入会を依頼していました。でもお母さんは『ポストに入れないで集めて保管しておいて下さい』と言っていました。それは後日、回収に伺うことにしていたからです。何故なら、ポストに投函されると郵便代がかかりますが、集めに行くとタダだからです。子どもに負担をかけないように行動していました」という話を聞かせてもらいました。この思いは母親の深い愛情ですから涙が零れました。

そして仕事帰りのHさんは立礼している僕に話かけてくれました。「今日、どうしても来たかったのです」。こんな嬉しい参列者がいることに感謝しています。他にも口々に「お疲れの出ませんように」だとか「今日は寝て下さいね」などの言葉をかけてくれました。

母親のやってきたことを僕は今、受け取っています。母親の力と愛情の偉大さを感じるばかりです。

そしてお坊さんは「片桐さんはとてもおとなしくて、優しい人でした。こんな優しい人はいませんでした。自分のことよりも人のことを優先する人で、息子さんのことも思っていました。ある日、おとなしい片桐さんが『今度、うちの息子が市会から県会に出るので、よろしくお願いいたします』と言ってきたのです。片桐さんが思い切って言ってくれたことは分かりますから、その時は驚きました。今では息子さんは県会議員をしていますからお母さんも喜んでいると思います」と説法の中で話してくれました。

そしてある人は「自分がどれだけ疲れていても相手の立場を考えて行動した人でした。疲れていても誘われたら嫌と言わないで、可能な限りつきあいをしていました。時々、辛そうな表情をしていましたから、やはりしんどかったと思いますよ。でも章浩君のためだからと思ってつきあいをしていたと思います」という話を聞かせてくれました。

他にも「章浩君の議会の傍聴に行っていました。電話した時、『章浩の議会に行く』と楽しそうに返事をしてくれていました。やはり息子が議会で発言することは嬉しかったのではないでしょうか」という話や、「市会議員や県会議員には誰でもなれる訳ではありませんから、一所懸命に応援していました。しんどかったと思いますが、息子の活躍が元気の源だったと思います」という話も聞かせてもらいました。

そして「お母さんは常に章浩君のことを最優先に考えていました。自分のことではなくて息子のことを思っていたのです。だから辛いことにも耐えていましたし、無理を言われても我慢していました。凄い人だと思います」という話も聞かせてもらいました。

最後に叔父さんから「お母さんは苦労をしたけれど幸せな人生だったと思います。章浩君が頑張っているので自分も頑張れたと思います。章浩君のための人生のようでしたが、それが幸せだったと思います」と話をいただきました。

たくさんのお母さんの話を聞かせてもらいましたが、どれもこれも優しくて、無理をしてまでつきあいをしていることや、僕のために無理をしていることばかりでした。この愛の深さに感謝の「ありがとう」の言葉以外に何も見つかりません。

それにしても実家から葬儀場に行くための着替えなどの準備をしている時間の悲しさ。お母さんの遺体が車に乗せられようとする瞬間の心の痛さ。母がいなくなった実家の戸締りをして鍵をかけて後にする時の寂しさ。どれもこれも、心の痛みに耐えられないものばかりです。号泣という表現がありますが、こんな堪えきれなくて声の出る号泣体験は初めてです。

他にもお母さんの顔を見つめている時に涙が頬を伝うことや、母のことを思いながら言葉を発すると涙で途切れてしまうことなど、悲しみ体験の連続です。

最後に葬儀のお礼状の文面を読んだ人から「文面を読んで涙がでました。お母さんはいつも片桐さんを守り続けてくれていますから大丈夫です」と言葉をいただきました。悲しさと嬉しい言葉が飛び交う通夜式の日となりました。

葬儀会場に飾られた写真の中のお母さんの表情は笑顔が素敵で、優しくて誰にでも好かれるような本当に素晴らしいお母さんだと思います。心から「お母さん、ありがとう」と言います。お母さん、聞こえていますか。