活動報告・レポート
2018年11月11日(日)
エネルギー研修会

エネルギー問題に関心のある22名の皆さんと共に、福井県のエネルギー関連施設の視察に出掛けました。福井県には原子力発電所があることもあり、放射線に関する学習ができる施設や福井県立病院陽子線がん治療センターがあります。陽子線治療は、陽子線という種類の放射線を用いた放射線治療の一つです。この病院が福井県にあるのは、長年にわたる原子力の技術の蓄積があり人材もいるからだと思います。

福井県で美浜原子力発電所が稼働し、送電を開始したのは1970年、昭和45年の万国博覧会会場でした。エキスポ70の会場に原子力の電気が送られたのは、当時、原子力が未来を象徴するエネルギーだったからだと思います。2025年の万国博覧会の開催地が決定するのは間近ですが、もし大阪に開催地が決定すればそれ以来のことで、ここから先の未来の夢が広がります。開催が決定した時、エキスポ70の出来事が報道され、記憶が蘇るように思います。

ところで視察した「あっとほうむ」は放射線に関する説明や機器を使った体験ができ、また放射線除去装置も展示されていました。

一緒に視察した人から「福井県には原子力技術や放射線を学べる施設があり羨ましいと思います。科学技術に気軽に触れられる、学習できる環境にあることは勉強にも影響を与えているように思います。福井県は学力が高く、幸福度も高い県ですが、これら学習環境があることや、交付金を活用した設備が充実していることも関係しているように思います。和歌山県も先端技術を導入した福井県の考え方を学ぶ必要があるのではないでしょうか。この施設を見学して、県が先端技術を導入した姿勢が、子どもの教育にも影響を与えているように思います」と感想を話してくれました。

また他の人からは「エネルギー関連施設を見学して先端技術があることの意味、学習する機会が日常の中にあることの意味を考えました。他の府県にない学習施設があることは、子ども達に大きな影響を与えると思います。放射線を勉強する機会があることは他の科目にも好影響を与えると思いますから学力向上につながっているのではないでしょうか」と意見をいただきました。

他にも「福井県が放射線利用に関して熱心なのは原子力技術とそれに取り組んできた背景があるからだと思います。現代の技術ですが故郷の先人が誘致を決断し取り組んできたものであり、その結果、今の学力も幸福度も高い福井県がある訳ですから、故郷への誇りとなるものだと思います。故郷の偉人を尊敬することは故郷への誇りを感じられるものになりますが、先端技術の利用を決断した背景を伝え、関連施設によって知識を与えていることも故郷の誇りにつながるものだと思います。和歌山県にも先端技術に関する施設が欲しいと思います。是非、実現して下さい」という意見や「福井県に福井県立病院陽子線がん治療センターがあることを羨ましく思います。和歌山県にも陽子線がん治療センターの設置を望んでいますが期待薄なのが残念です。福井県にこの病院があるのは原子力技術を利用してきた歴史があるからだと思います。それを医療分野に生かしていることは県民のためにもなっています」という意見も聞かせてくれました。

和歌山県民の方で福井県立病院陽子線がん治療センターに治療のため入院する人はとても多く、和歌山県の陽子線治療に関しての補助制度を活用しながら福井県に行っています。そんな方々からも「和歌山県も陽子線がん治療センターを設置して下さい」という意見を頂戴しているところです。

一つの先端技術はすそ野が広く他の分野にも利用できるのです。科学の進歩、医療への活用を展開している福井県の取り組みをご一緒した皆さんと共に学びました。