長岡市役所を訪ねましたが、到着した時から視察を終えた後まで驚きの連続でした。JR長岡駅から直結する場所に長岡市役所があるのですが、外見も内部も市役所と思えない斬新なものでした。日本で一番、斬新な市役所庁舎と機能性だと思います。
市役所庁舎は「シティホールプラザ・アオーレ長岡」と命名され、市役所機能に加えて市民が交流できるスペースと市民が行きたくなる場所としての機能を有しています。「アオーレ長岡」の延べ床面積の半分以上が市民交流スペースとなっているのは、まちなか公共施設として市役所を設置し、新たな市民協働の拠点となる施設となっています。
長岡市でも郊外に大型商業施設が建設されたことから中心市街地が空洞化し、閑散とした街並みになっていました。賑わいのあったJR長岡駅周辺から人通りが途絶え、活気を失っていたようです。
そこで長岡市では中心市街地を再生するため郊外にあった市役所を中心市街地に移転することで、市民交流の核施設とすることを決定しました。元々この場所は長岡厚生会館と公園があった場所で市の所有地でした。市役所が移転するために土地の取得は必要なかったので、計画案が示されると比較的順調に移転が図らたれたようです。移転の目的は市役所が交流拠点となることにありました。市民が交流できるスペースと行きたくなる施設を目指して建設したことから、庁舎は最先端の商業施設のような斬新なつくりです。
今日、ここに到着した時「大型商業施設に着いたのか」と思ったほどです。「出迎えてくれた職員さんにここが市役所なのですか」と訪ねたぐらいです。内部に入ると確かに市役所で市役所コンシェルジェが市民を迎えてくれています。市役所内に案内表示を少なくして市民コンシェルジェを配置しているのは、市民と職員との交流を図るためです。
総合窓口はワンストップサービスをしくみ化していて、複数の行政手続きがあれば窓口に来た市民が動く必要はなく、窓口に職員さんが入れ替わりで対応するようにしています。
一階フロアが総合窓口のため住民票や戸籍謄本などを取得することができ、もし市民が福祉の要件があれば二階から福祉担当職員さんが一階に来てくれるようになっています。
民間企業が務めているワンストップサービスが長岡市役所で、しかもハイレベルで実現していることが凄いと思いました。実現できていると感じたのは、総合窓口に行くと市民コンシェルジェが近寄ってくれたことや、職員さんが笑顔で迎えてくれたこと。そして市民が訪れた時、市民コンシェルジェが声を掛けて案内している光景を見たからです。
そして市役所の執務室は全てガラス張りで、一階だと外から見ることができます。市議会議場も一階にあり、しかもガラス張りなので、外から議会を見ることも可能です。可視化されている開かれた市役所であり議会だと思います。
議場に入ると天井から木がぶら下げられていました。この木の意味は議論している声の音質を良くすることと、渦巻き状にしているのは議論が活発にされることを期待しての配置だと聞きました。
参考までに市役所、議場を始めとする「アオーレ長岡」は建築士の隈研吾氏が設計したもののため透明性があり斬新な作りになっています。また「アオーレ」とは「会いましょう」のことで、市民がこの場所で交流することを期待して命名されたと教えてもらいました。事実、平成29年度は130.1万人の市民の方がこの場所を訪れるなど、交流拠点になっていることが分かります。
都市機能の集積による中心市街地のまちづくりを図り、年間約180万人が訪れる街として再生しようとしています。なお「アオーレ長岡」内には体育館があり、プロバスケットチームのホームとして活用が図られています。本日も夕方から公式試合があることから選手が練習を行っていました。
とにかく一見の価値がある市役所で、市民の交流が図られ、行ってみたくなる市役所スペースだと感じました。
三日間の建設委員会の視察は街づくり、中止市街地の再生など、今後の活動に役立つものになりました。