活動報告・レポート
2018年11月5日(月)
建設委員会視察
福島県庁訪問

和歌山県議会建設委員会の視察で福島県庁を訪問しました。今日から三日間の行程で視察に向かいます。福島県は東日本大震災の被害から復興途上にあり、今も復興計画に基づいて被災者が帰還できる環境を整えようとしています。

故郷に住むことができない。それが解決すべき最大の課題であり、元の場所とは言わなくても、故郷に戻って来られる福島県を作ろうと取り組んでいます。

大震災から7年と8か月が経過していますが、今でも約44千人が故郷を離れて生活をしている現実があります。最大165千人が避難していたのと比較すると減少していますが、まだ約44千人も帰還できていない現実は不自然であり、一日も早く帰還してもらいたいと思います。

福島県の予算の中で復興・創生分は6,178億円あります。これは和歌山県の一年間の一般会計予算を上回るもので、これぐらいの予算規模で復興に当たっています。参考までに福島県の平成30年度会計は1兆4,472億円となっています。行政運営をしながら復興に向けた取り組みを行っている福島県の姿に拍手を送りたいと思います。

しかも復興計画は、帰還率を高めることだけではなく、地元で仕事を創出し、しかも未来を感じるものにしようとしている点が素晴らしいと思います。その計画の核を成しているのが、福島イノベーション・コ−スト構想です。福島県が策定したこの構想は国の認定を受け、平成29年度から国家プロジェクトとして推進されています。

福島県庁訪問

福島県として産業を創出しなければ真の復興にならないことを前提とした構想です。仕事があることが地元で生活するために必要なことであり、その仕事は誇りを持てるものが理想です。

この構想では、ロボット産業、再生可能エネルギー産業、先端技術を生かした農林水産業など全国でトップレベルの産業と技術の創出を図ろうとしているのです。福島県の「ふくしまからはじめよう」のキャッチフレーズは、その気持ちが込められていると思います。

ゼロから始めてトップレベルの産業を創出することを目指しています。この説明者の気持ちに心が打たれましたし、早期復興を更に強く応援しようと思いました。現場に行くことで感じることのできる気持ちが大事で、この気持ちはインターネットや報道から伝わらないものです。直接人と話をする、現場訪問して空気を感じる。それがなければ現場感覚を感じることはできないのです。

現場とは生きているもので、いわばライブ会場ですから、その場に立つことで感じられるものは必ずあります。それを掴んでくることが視察の目的です。福島県の復興計画の説明を受け、現地に立ったことで前述のように感じるものがありました。

福島県庁訪問

しかし頭を悩ましていることが風化と風評被害だそうです。現地を訪れることなく批判を言い、風評被害として流す人がいることも事実です。大変な状況にある人、地域を応援する気持ちを持ちたいと思いますが、そうならないのは福島県の取り組んでいる姿を確認していないからだと思います。今回の説明や現場で見たことを、和歌山県に戻ってからも皆さんに伝えたいと考えています。

また風化は関心がもたれなくなることですから、風化も無関心の成せる業なので、そうならないように現場に立った人が話をすべきだと思います。

明日は福島市を訪ねますから、現状の説明を受け現場を見てきたいと思います。建設委員会の視察は現場主義なので、これからの活動に役立つものだと思っています。