活動報告・レポート
2018年10月5日(金)
和歌山県の財産
和歌山県の財産

「和歌山県には奈良県に匹敵するほどの文化財があります。これは全国でもトップクラスのものです」と言う話を聞かせてもらいました。

和歌山県には根来塗が生産されていますし、江戸時代には南紀男山焼もありました。和歌山県には博物館に展示すべき程の価値あるこれらの文化財が残されています。しかしこれらの和歌山県が誇る財産は博物館にはなく個人所有となっています。驚くことに以前、和歌山県立博物館に長く展示されていた展示物が売却されており、個人所有になっているものもありました。県立博物館がその価値をどう判断したのか分かりませんが、所蔵品を当時の所有者に返却し、それが売却されてしまっているのです。幸い、県外流失は防いでいますが、和歌山県の財産とも言うべき所蔵品を、恐らく予算の関係だと思いますが売却した過去があることを聞き驚きました。

「和歌山県には、紀州の文化財を護ろうとする考えはないと思います。他の府県では文化財を保存し展示していますから博物館に行くと見応えがあります。ところが和歌山県の博物館に行ってもがっかりするばかりです。誇るべき価値のある本物がないのですから。平然とコピー品を展示している博物館は全国を探してもどこにもありません」と話してくれました。

「そんなことはない」と思い、展示物の話を聞かせてもらったのですが、専門家が見ると一目瞭然だそうで、コピー品や価値のない展示物も並んでいると聞きました。

「偽物には金銭的価値はありません。タダでもいりませんが、あえて言うなら100円、200円の価値の展示物があります。100円と値付けをするのは、コピー作品の製作費程度ですかね。それらのものを集めて100万円の価値があると言うなら、一つで100万円の価値のある作品を展示すべきです」ということでした。

本物と偽物を比較すると専門家は簡単に見抜きますし、素人でも比較すると重み、本物が持つ輝きを感じることができます。専門家曰く「一つでも偽物を展示していた場合、博物館そのものの価値がなくなります。偽物も見抜けない博物館とレッテルを貼られるからです」ということになります。

博物館は見る人を感動させる本物を展示して欲しいと思いますし、特に地元で制作された文化財を展示することが文化度の高い県民性を生み出すことになります。紀州で造られた文化財的価値のある根来塗や南紀男山焼などを博物館で展示することで和歌山県の文化度は高まりますから、それらのものをコレクションして常設展示するぐらいのことが必要です。

そして「和歌山県が浮上するには文化財の価値を知り、文化財が常設展示されいつでも触れることができる博物館を創ることです」という意見をいただきました。

小、中学生、高校生が文化財に触れる機会を提供することが文化財を生かすことで、故郷に伝わる文化を知らない子どもが県外に出た時、本物に触れた経験のある都府県の子ども達に引け目を感じることになります。文化力こそ人の心の体力になるものであり、体力のない人が体力のある人と競争した場合、発想力や物事を考える時の深み、持久力などで劣後することになります。

故郷の文化財を和歌山県の子ども達に触れさせる経験をさせ、文化力こそ身につけさせてあげたい力です。

和歌山県立博物館展示物 和歌山県立博物館展示物

ところでここには、陸奥宗光元外務大臣の書、医聖華岡青洲の書などがありました。本物が持つ輝きを感じることができました。この方は「比較すると面白いですよ」と言って、華岡青洲の書のコピー品を見せてくれました。コピー品、つまり印刷なのですが本物と並べてみると違いは歴然としていました。このような偽物が、もし博物館で展示されているのであれば、和歌山県の文化度の低さを恥じることになります。

和歌山県立博物館展示物

人間の能力とは「思いやれること」にあります。「思いやり」のない人は、社会で生きる能力のない人だということです。文化財に触れることは、人としての深みを増し、故郷で生きた先人を尊敬する心を醸成し、感動し、守り伝える心を持つことでモノと人を大切にする「思いやれる」心を持つ人になれます。

最後に、「和歌山県再生の道は一人ひとりが人間力を高める以外にない」と話してくれたように、モノでも人でも本物と接することで人間力が磨かれます。どれだけたくさんの偽物に接したところで人間力は高まりません。偽物を排除する和歌山県でありたいものです。

それにしても陸奥宗光元外務大臣の書に触れることができたことに感動しました。本物を見ると、その生きた激動の時代が目の前に浮かんできます。書は「俺でも日本を変えることができたのだから、君たちもできるはずだ」と問い掛けてくれたように感じました。

それはこの書が本物だからです。本物は語り掛けてくれますが、偽物は語り掛けてくれません。この陸奥宗光伯の書は紀州の宝物として守りたいと思います。

共同火力大会

第47回共同火力労組の大会にお招きをいただきました。これは新年度の活動方針を議論し樹立するための大会です。

僕も来賓として挨拶をさせていただきました。今回は台風第20号と台風第21号被害への対応について話をしました。平成30年9月県議会では両方併せて約108億円の補正予算を成立させました。先週金曜日に県議会が閉会になったので、迅速に復旧に着手し始めています。

そして復旧の考え方は、護岸の一部が崩壊した箇所は現状復旧の考え方ではなくて、改良復旧の考え方で実行することにしています。本来の予算の考え方は現状復旧が基本ですが、それでは台風第21号と同規模の台風が到来すれば、今回と同じような被害が発生することになります。それでは防災対策にならないことから護岸の嵩上げ、消波対策の強化など改良復旧で実施することになります。

ですから台風第21号規模の台風に対しては被害を最小限に食い止めるための復旧を図ることにしています。生活と仕事の安全と安心を確保することが県政の最大の使命ですから、この視点で防災対策、他の県政を推進していくことにしています。

その他
  • 退職の日を迎えたYさんに感謝をする会に参加しました。退職のお祝いですが、笑顔と感謝の気持ちが溢れる素晴らしい懇親会となりました。自分のことより人のことを考えて行動したYさんの人柄が滲みでた会となりました。Yさん、心から感謝していますし、これからも変わることなくおつきあいをお願いします。
  • アースデイの植樹に関する会合に出席しました。ライオンズクラブとして地球環境保全のための活動がアースデイです。直川用地への台風で倒壊した桜の植樹と、同じく台風被害に遭った水軒浜の松の木の倒壊した箇所の復旧を実施する案を話し合いました。