今回の台風第24号への対応について話し合いました。個人も企業も、そして地方自治体もかなりの事前準備を行ったこともあり、被害は発生したものの台風第21号と比較すると抑えられたと思います。
小さな行動だったかも知れませんが、皆さんの事前準備が大きな動きとなったように思います。誰かに責任を転嫁することや批判をするよりも、自分ですべきことはやって台風に備えておく。昨日と今日、会った皆さんからはそんな気持ちが伝わってきました。意識が変われば行動が変わる。そんなことを思いました。
中でも感動したのは、「暴風の時は待機していましたが、風が収まると即座に現場に向かっていく人と作業車を見た時、まだ安心できる状況ではないけれど、もう現場に向かっている姿を頼もしく思いました」という話を聞いたことです。
どんな状況であったかは僕も想像できますから、台風の影響の風が収まるのを待つのではなくて、「一刻も早く現場で復旧作業をしよう」という気持ちが伝わってきました。この話を交わした後、実際に現場で作業に当たってくれた方と会いました。
「お疲れ様でした。疲れたでしょう」と話しかけると、「大丈夫です」と答えてくれました。その表情からは、「私達がインフラを護り、迅速に復旧を果たすことが県民の皆さん、お客さんの安全を守ることになる」という思いが伝わってきました。
その思いを実現するために、台風の風が収まってきたと同時に現場に出動したのだと思います。インフラを支えているこの方の「地域の安全を護り、県民の皆さんに安心をお届けする」という気持ちに感動しました。雨風の中、現場で作業にあたってくれたけれど、決して表に名前が出ない人が社会を支えてくれていることに感謝しています。
他にも「一部崩壊していた護岸から高波が浸水してこないか心配でしたが、大事には至りませんでした。崩壊した箇所に土嚢を配備してくれるなど事前の対応に感謝しています。ありがとうございます」という声を届けてくれました。
今回は批判的な意見は少なく、温かいと感じる意見が多いように思います。自然災害に備えて自分のことは自分で準備しておく。そんな意識を持った対応した人が多かったようにも思います。自助と公助が重なり合うと安全対策は強いものになります。
「私がやりかけたことは、残念ながら途中で挫折しています。仕上げられたら良いのですが時間が限られているので、この後のことは若い人たちに引き継いでもらいたいと思います。皆さんは私が見てきた中で『できる』と思った皆さんですから、力を合わせて私の想いを引き継いで、やり遂げてくれると嬉しく思います。
もし引き継いでくれるのであれば決して急がないで下さい。焦ると困難に勝てなくなりますから、ゆっくりと時間をかけて取り組んで下さい。私は報告を受けられないかも知れませんが、何年後かにやり遂げてくれる報告を聞けたら嬉しいことです。ここに私がいないとしても嬉しいことです」と覚悟を持って話してくれました。
成果を自分が見ることはできないかも知れないけれど後を託す人がいる。そのことを喜んでくれているように感じました。多くのことは、一人でやり遂げられることばかりではありません。チームで行うこと、後を託せる人がいることなど、やり遂げる可能性の範囲を広げておくことも必要な場合があります。
全てを自分で抱え込むことはしない。それが長期的視点で物事をやり遂げるために必要なことです。