停電復旧作業の現場に立ち会いました。和歌山市内では停電が起き復旧に努めているところです。停電の中の皆さんには大変ご迷惑をお掛けして誠に申し訳ないです。全力で復旧作業に努めているので今しばらくお待ちいただくようお願いいたします。
午後2時頃、市内の停電中の場所を訪ねて作業車の到着を待っていました。大阪市内から復旧応援に駆け付けてくれた作業車が到着し、即座に停電復旧作業に取り掛かってくれました。事前に現場調査で原因を把握していたことと、作業員が到着する前に作業責任者が原因を確認して特定していたことから、作業車が到着してからすぐさま、作業に着手してくれました。作業車が到着した時、お困りの皆さんが道路に出てきてくれて、作業状況を見守ってくれました。復旧の瞬間を見逃さないように固唾を飲んだ表情をしていました。
柱上の変圧器のスイッチが入った時、責任者が「これで電気は通っています」と話してくれたので、道路の皆さんから大きな歓声があがりました。
10軒の家が停電していたので、早速、作業を見守っていた皆さんは自宅に戻り、電気を点灯したところ、灯りが灯りました。再び、自宅から道路に出てきた皆さんからは「ありがとうございます」、「本当に嬉しいです」、「関電さん、ありがとうございます」など感謝の言葉が飛び交いました。涙を浮かべて感謝してくれている人もいて「ありがとう、ありがとう」の言葉に感動しました。
そして「電気がある生活は当たり前だと思っていたのですが、そうではないことを痛感しました。自然災害の前に人工のものは無力ですが、このような台風に備えて欲しいと思います」や「今回の台風は自然の猛威であり、この被害は仕方ないことです。電力会社に責任はありません」などの言葉をいただきました。
皆さんの目には涙が浮かび「本当に嬉しく思います。皆さんは大阪から来てくれたのですね。遠い和歌山市まで来てくれてありがとうございます」と感謝の言葉を伝えてくれました。通電した時に涙を流してくれるとは思ってもいなかったのですが、目と目が合うと「それほど嬉しいと思っています」と話してくれました。
更に「今回は無理をお願いしたと思います。私達にはそれぞれに沢山の思いがありお願いをしてきました。忙しいのは分かっていたのに無理を言って申し訳ありませんでした」と嬉しさを感じていることが分かる言葉で伝えてくれました。
今日、停電復旧作業を見るために道路に集まってくれた皆さんの笑顔を忘れることはないと思います。
作業責任者にお礼の言葉を伝えると、「私達の仕事ですから。今回はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」と責任ある言葉を伝えてくれました。「今日、和歌山市にお泊りですか」と尋ねると「明日も和歌山市内の復旧作業を行いますから泊まります」と疲れているはずですが笑顔で応えてくれました。
この作業車はこの場所の他も停電中の現場復旧作業に努めてくれたのです。感謝してもし切れないと言う皆さんの温かい心に再び感動しました。現場には人がいて、心が触れ合うことで伝えてくれる感動があります。現場作業を見て感動するなんて思ってもいませんでしたが、現場にいて本当に感動しました。
やはり現場は生き物、ライブですから、常にこれまでにない物語があります。現場では物語が発生し、しかも繰り返して物語は生み出されていきます。現場で関わった人、見ていた人は物語を語ってくれる人達ですから、感動したことは物語として語り継いでくれることになります。現場から生まれる物語を語ってくれる人のこと、物語そのものを大切にしたいと思います。
停電にもかかわらず待ってくれていた皆さんにお礼申し上げます。作業手配をしてくれた担当の皆さんにもお礼申し上げます。そして復旧作業を実施してくれた皆さんに心から感謝しています。ありがとうございます。
ただ、まだ停電中で苦しんでいる皆さんのためにも、一刻も早い復旧を急ぎたいと考えています。