台風21号の被害への対応に終始しています。和歌山県内の台風被害は凄まじく、和歌山市内のこの被害はこれまでで最大級だと思います。復旧に当たっている皆さんは不眠不休で作業を行っていることから健康状態や安全確保の観点から心配な状況になっています。関係する皆さんには最大の敬意を表したいと思います。インフラを護る、社会を守る、生活を守る、これらの使命を果たすために懸命の作業を続けてくれている皆さんの取り組みを支援しています。
それにしても、電気が生活に欠かせないものであることを痛感しています。社会を支えているのが電気で、生活でなくてはならないものの筆頭であると感じます。また皆さんには大変ご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます。
皆さんから承っている懸案は早期解決を図るべく対応しているところなので、今しばらくお待ちいただきますよう、重ねてお願いいたします。
今回の台風21号の主な被害の事象を以下に記載いたします。
工業団地の会社は、高波の影響により工場内に海水が浸入し、機器が稼働できなくなっています。それどころか機器類が海水に浸ったことから直ちに稼働することはできなくなり、点検、整備などを行ってからの稼働となるため、再稼働まで相当時間を要することになっています。稼働していたら生み出せたはずの利益が消え、機器の整備に経費を要することから再開後の経営にも影響が生じそうです。
なお火災保険に加入していた場合、台風被害の補償は適用されますが、海水浸水による被害は適用外となることを聞きました。海水が浸水した場合の被害の補償を受けようとすればオプション契約となり、保険料が倍程度になるそうです。このオプション契約の火災保険に加入している工場は少ないと思います。災害の支援金支出など最大限の支援を必要としていることが分かるので、この意見を届けたいと考えています。
農業を営んでいる方の倉庫が強風で倒壊し、屋根や壁が近隣に吹き飛んでしまいました。その結果、近隣の家屋や車に傷をつけてしまいました。保険適用外の事象なので、農家の方の保険で修理することはできません。今後の近隣との付き合いから補償することになるのですが、数百万円になることが予想されています。
「今年農業で得る収入よりも今回の補償金の方が多くなると思います。今さら農業倉庫を作っても、また同じような事象が起きるかもしれないので、この機会を区切りとして農業を辞めようと思います。大変な台風被害に遭いました」と話してくれました。
この方も倉庫が飛び、田んぼの稲が倒れてしまうなど、大きな被害を受けています。それ以上に近隣の皆さんに被害を与えることになったことを悔いています。こんな情景は見たくはありませんが、物的な損失と共に精神的苦痛が相当大きく、自然災害の大きさを痛感しています。
避難施設の開設に関しても課題になっています。台風通過後も日常生活への悪影響が続いています。台風の最中ではなくても、その後、生活に支障がある場合は避難所を開設して生活環境が整うまでそこで生活できる体制を整えることが課題だと思います。お風呂やトイレなどが使用出来ない状況が続く場合、これらの環境が整うまで「避難所を開設して欲しい」という意見も聞いています。
防災への備え、災害発生時の対策、台風が去った後の生活環境の整備など見直しする必要があると考えています。南海トラフ巨大地震の到来が予想されている中、防災対策を発展させる必要性を感じています。