活動報告・レポート
2018年9月5日(水)
台風21号明けの一日
台風21号明けの一日
台風21号の被害

和歌山県内では、昨日、到来した今年最強の台風21号の被害が発生しています。昨夜から早朝にかけても問い合わせが殺到しているため、電話で対応できないケースもありご迷惑をおかけしています。また復旧作業を最優先していることから現場対応に遅れが出ている場合もありますが、皆さんからのご意見は把握しているので、ご理解いただけますようお願いいたします。個別に事象を掲げるとそれだけで埋まってしまうので、有り難い意見を紹介いたします。

苦しい時に前向きになれるのは温かい励ましの言葉です。苦しい時の批判は元気度を下げさせますが、温かい励ましは元気度を高めてくれる効果があります。温かい言葉の数点を以下に紹介します。

  • 夜間作業に当たっている皆さんは徹夜で足がガクガクになりながらも頑張ってくれています。私は皆さんの頑張りを信じて待っています。
  • 夜間に一度復旧しましたが朝からまた停電しています。しかし私は作業してくれている皆さんに本当に感謝しています。批判や苦情の声があると思いますが、悲しいことだと思います。苦情よりも感謝している私達の声が届いて欲しいと思います。苦情よりも何倍もの感謝の念が作業してくれている皆さんに届きますように。
  • 災害の被害は多くの人に影響を与えています。停電を経験して電気の有り難さが分かりました。当たり前のように使っている電気ですが、消えてからその有り難さを感じました。当たり前のように思っていることに感謝できる世の中でありたいと思います。
  • 関西でこれだけ多くの停電被害が発生していることと、それを復旧させていることを知り、感謝の気持ちに耐えません。雨風の中、社会的使命を果たしてくれていることに感謝するばかりです。お疲れが出てくるころだと思いますので、作業中の事故には十分気をつけて欲しいです。

皆さんからの励ましの意見を掲載いたしました。全体が苦しい時に、作業に当たっている人を励ますか、苦情を言うかによって心の持ち方が違ってきます。どんな意見を聞かされても全力を尽くしていますが、このような励ましの声は気持ちを奮い立たせてくれるものです。

こんな厳しい状況の中にも関わらず、激励の意見を届けてくれたことに深く感謝いたします。台風21号からの復旧を図り、早く日常生活に戻りますように。

台風21号の被害
危機管理

危機管理に関して問題提起をいただきました。和歌山市内の主要道路である田中口の地下道の冠水に関してのことです。

この場所は豪雨の度、冠水することが多々あります。この地下道はJRきのくに線が地上部分を通っていることから、車道が地下道という構造になっています。そのため集中豪雨の時に冠水して道路としての機能が果たせないのです。

台風21号の影響で9月4日は、田中口の地下道は午後2時30分から午後11時25分まで通行止めになっていました。本来は冠水対策としてポンプアップして地下道の雨水を外に出すのですが、ポンプが使用できなかったことから排水対策が遅れました。過去の経験から豪雨の時にこの地下道が冠水することは想定内のことですが、そうなりませんでした。

和歌山市にとって長年の懸案となっていますが、未だ解決の道筋はついていません。解決のために、例えばJRきのくに線を高架にする方法がありますが、莫大な予算を要するため現実的な議論として進まないのです。

他県の事例から学ぶなら、かつて博多の地下道が豪雨のため冠水したことがあり、その時、地下街の豪雨対策については、関西大学社会安全学部特任教授で、災害研究の第一人者である河田惠昭先生の「日本の地下街は世界一危険!災害研究の重鎮が大都市の『水没』を警告」で問題提起されています。和歌山市に地下街はありませんが、地下道はあるので同じような対策を講じる必要性は理解できていたと思います。

今回の田中口の長時間の冠水は、行政の対応が後手に回っていたという指摘を頂戴しました。わが国は近年の巨大地震や津波、集中豪雨などの経験から、大災害への備えを強力に推進しています。過去の経験から学ぶなら経験の乏しかった時代よりも「想定外」のことは極めて少なくなっています。昨今の状況から、災害対策で「想定外」と言う言葉を使うことは、「何もしていなかった」と置き換えられるような時代になっていると感じています。今回の対応は「想定外」だったのかどうか分かりませんが、「想定」できる範囲だったようにも思います。

台風21号の被害と対応を経験として、災害に強い和歌山県の実現に向かいたいと考えています。時宜を得た指摘をいただきました。