活動報告・レポート
2018年7月22日(日)
和歌山県予選
夏の甲子園 和歌山県予選

夏の甲子園を目指す球児たちの戦いが繰り広げられています。和歌山県予選ではベスト4を目指す戦いが行われ、母校向陽高校が和歌山東高校との戦いに挑みました。このベスト8の試合を応援するため紀三井寺球場に駆けつけました。

試合は一回の表に1点を先取され、それを追いかける投手戦の展開となりました。4回裏に同点に追いつきますが、その後も投手戦が続き応援席の声援が高まっていきました。三塁側スタンドは暑さが厳しかったのですが、選手を応援する声は更に大きくなり選手に声と心が届いていると思いました。

そして向陽高校の8回裏の攻撃に入ります。二死一塁の場面で打者が打った打球は中堅手と右翼手の間に飛んだ瞬間、応援席は総立ちと拍手の渦となり、この暑さを止めたような感じになりました。総立ちの応援団が見守る中、一塁走者がホームインし2対1と勝ち越しました。勝ち越した瞬間の拍手と歓声は、スタンドの暑さを止めてしまうのに十分でした。応援者の中には泣いて抱き合う人もいるなど、この歓喜が「高校野球だなぁ」と思いました。

夏の甲子園 和歌山県予選

そしてナインは9回表の守備につきます。一打同点の場面を迎え、スタンドは祈るような応援となりました。攻撃側ではないので声援をおくれないのですが、静かな応援の力を感じる場面でした。そしてエースの小林投手が投げた球を打者が空振りし、試合は終了しました。ゲームセット2対1で向陽高校が勝利しました。この試合でも、母校の校歌をスタンドで聴くことができました。スタンドで聴く、そして歌う母校の校歌はやはり格別です。生徒もOBも一緒になって校歌を歌うこの光景を空の上から見ると、キラキラ輝いていると思いました。

それにしても、高校野球はOBを現役の生徒へと誘ってくれる力を持っていると思います。暑い中、スタンドでこれだけの声援を贈ることができるのは高校野球だけだと思いますし、卒業した母校の中に溶け込めるのも野球の応援スタンドだけだと思います。

ベンチに入れなかった野球部員、チアリーダー、ブラスバンド、保護者とOBで埋まった応援席は試合の間、ひとつになりました。ひとつにまとまった応援の声は選手に届き、見えない力を得たことだと思います。

夏の甲子園 和歌山県予選

この暑いスタンドの光景はこれから先もずっと残るものですし、選手が導いてくれたベスト4までの時間は短い夏の宝物になっています。そして甲子園まであと二勝のところまで到達しました。強豪校との戦いが待っていますが、この後もスタンドからの大きな応援が後押しすることになります。

今頃になって伝統の力の存在が分かるようになってきました。スタンドを埋め尽くす応援の数が伝統の力だと感じるからです。卒業年に関係なく選手の応援のためにスタンドに集まり思い切り声援を贈る。たくさんの卒業生を社会に送り出していることが伝統であり、普段は母校のことを意識していなくても、懸命な選手と応援団の戦いを全力で応援してくれるのが卒業生です。

さぁ、甲子園を目指す和歌山県の夏の戦いは4校で争うことになります。頂点に立つことができるのは一校だけですが、選手と応援団の甲子園を目指す夏の戦いを共に続けられることを嬉しく思います。平成最後の夏、100回目の夏は、熱い夏になっています。