活動報告・レポート
2018年5月28日(月)
ふるさと学習
ふるさと学習
西浜中学校ふるさと学習

和歌山市立西浜中学校の授業として「ふるさと学習」が開催されました。今回の授業は「明治の世、和歌山・日本・世界をおもう〜すばらしき先輩・陸奥宗光外務大臣に学ぶ〜」でした。講師を務めてくれたのは福田光男さんで、元和歌山市立雄湊小学校校長です。

今回の「ふるさと学習」を実施したのは、西浜中学校の三年生は明日から修学旅行で東京に向かいますが、二日目に班別学習があり、その中の一斑が外務省を訪問することになっているからです。全ての生徒が外務省を訪ねられると良かったのですが、対応することに限りがあるため一つの班が訪ねることになっています。しかし郷土の偉人の学習をしておくことは外務省を訪ねることがなくても勉強になりますから、三年生全員を対象として学習を行ったものです。

今回の「ふるさと学習」は、平成30年は明治維新から150年目の年を迎えていることからも、陸奥宗光伯のことを勉強することは意義があり、この学習を基にして外務省を訪ねることは、更に学習の成果が上がるものだと考えています。

西浜中学校ふるさと学習

学習は陸奥宗光伯の子ども時代から始まり、不平等条約改正に至るまでの生涯を分かりやすく、そして外務大臣としての成果と共に見習うべき人としての生き様を教えてくれました。陸奥宗光伯と共に坂本龍馬、勝海舟、西郷隆盛などワクワクする人物が今日の学習の中に登場し、歴史を知ることは楽しいことであり、自分の人生も誰かが聞いてワクワクする人生にできることを感じられました。

父の伊達千広が失脚した時、陸奥宗光は和歌山市から九度山へと移され、そこから江戸に向かうことになります。自分の人生を諦めないこと、そこから這い上がろうとする気持ちが大切なことを学べます。

江戸では志を果たすために懸命に勉強し、勉強をして認められたことから神戸海軍操練所で学ぶ機会を得ることになっていくのです。そこで坂本龍馬と出会い才能が開花していくのです。坂本龍馬が暗殺された後はその意思を引き継ぐ人物として明治政府で活躍することになります。紀州藩を救うために和歌山藩として改革のモデル藩としたことで和歌山藩を他藩モデルになるような存在にしたのです。

和歌山藩は近代的な軍隊、新産業を興すこと、和歌山の近代化を図るために工場建設、電気とガスの導入など図り、明治政府は元より、アメリカやヨーロッパからも注目される藩へと発展していったのです。当時、和歌山藩は他の藩から目指すべき藩として存在していたのです。

西浜中学校ふるさと学習

この陸奥宗光の人生の展開の話はワクワクするものです。そこから学びの時期を経て、伊藤博文総理大臣から外務大臣として登用されることになります。外務大臣としての最大の功績は不平等条約の改正を行ったことです。イギリスなどの国との間にあった不平等条約を改正し、明治政府の悲願であった不平等条約改正によって日本を近代国家へと導くのです。

歴代外務大臣ができなかった不平等条約改正をできた理由については、陸奥宗光伯の情報収集力と判断力にあったと説明してくれました。情報を集める力は今も昔も大事なことですが、その情報を基にした判断力も大事な能力です。この二つの能力を持ち合わせていたことから不平等条約改正につながり、そのことが陸奥宗光外務大臣をカミソリ大臣と呼ばせることになったのです。

福田先生は、学習のおわりに二人の言葉を紹介してくれました。

  • 「安井息軒」

    昔の人も教えている。人というものは自分の長所をかくすことをしなければいけない。口の達者な者は、つとめて言葉数を少なくせよと。おまえもよくよく考えてみなければならん。それでないと今に、自分の長所のために失敗する。

  • 「坂本龍馬」

    お前は自分の才能に頼りすぎていかん。確かに学問はよくできるし、仕事の仕方も優れている。だが船は一人では動かない。みんなと力を合わせねばならない。新しい時代には、海の外に出て、日本と世界をつなぐ仕事をせねばならん。刀や槍を捨てて、自分の力でそれができるのは、陸奥と俺だけだ。

そして陸奥宗光伯の言葉です。「心身を働かせ、全力を尽くして事にあたれ」です。

福田先生から陸奥宗光伯の力について次のことを伝えてくれました。

  • 思考力としての考える力。
  • 今、何をすべきかの判断力。
  • 実践力としてのやる気。
  • 力を合わせて事をなすためのコミュニケーション力。

陸奥宗光伯の人生をお手本とした学びの学習を聞かせてもらいました。

西浜中学校の三年生の皆さんには学びの多い修学旅行になることをお祈りしています。また「ふるさと学習」の出席を快諾してくれた校長先生、学校関係者の皆さんに感謝しています。

その他
  • 介護保険制度と障がい者年金などの福祉施策に関して協議を行いました。実際の現場の意見を聞かせてもらうことで、現場の実情に合わせた制度に改めて欲しいことも見つかります。
  • 作業所の支援につながる取り組みについて協議を行いました。できることをやりたいと考えています。
  • 県内で工場誘致に向けての開発予定地の現場調査と開発に伴う課題の確認などを行いました。現場に入ることで見えるものがあります。