竈山神社で神武天皇の長兄である彦五瀬命の2680年目の命日の式典である雄誥祭に参列させていただきました。太古の昔、この国を平安にするため四人兄弟で日向の国から国の中央である大和を目指した神武天皇一行は、各地で争いごとが起こらないように道中で稲作を指導しながら大和を目指しました。
当時は海路で、12年とも16年とも言われていますが、長い年月をかけて浪花に到着しました。そこで待ち受けていた部族と争いになり、相手の弓矢を受けた長兄は傷を負いながら浪花から海路を紀伊に向けて南下します。到着したのは現在の和歌山市雄湊で、ここからさらに先に進んでいきました。神武天皇の兄である彦五瀬命は竈山神社辺りの桜川で傷口を癒しますが、毒が体に回ったためこの地で命を落としました。
それで彦五瀬命はこの竈山神社で祀られることになったのです。長兄を失った神武天皇は、神が宿る東に向かって攻め入ったので禍が起きたと思い進路を南に取ります。紀伊の国を南下した神武天皇一行は熊野に入り、そこで八咫烏に導かれて大和の国へと入っていきます。この地でも争いが起きようとしたところ、光り輝く鳥が出現し神武天皇の味方をしてくれたこともありこの国を平定し、以降、平和な国づくりに努めたのです。
この大和とは山の港の意味で山に囲まれた盆地を表しています。大きな和を築きたいと願って山の港の地を大和と名付けたのです。
そして現在、神武天皇は橿原神宮に祀られていますが、神武天皇のお兄さんは竈山神社に祀られています。
ところで、お参りする人がいればそこは墓所であり人と繋がっているため生きていると言えるそうです。しかしお参りする人が途絶えてしまうと、そこは遺跡と呼ばれることになります。
また神社では2礼2拍でお参りします。これは、かつて年上の人や両親に対する挨拶の作法だったと教えてもらいました。いつしかお辞儀だけになり拍手をする習慣はなくなりました。だからお礼と拍手は神事の作法ではなく日本古来の挨拶の作法だったのです。
尤も最近はお辞儀もしない人が増えていますから、やがてお辞儀も日常の習慣からなくなるかも知れません。
このように雄誥祭に参加することで学びがたくさんありました。寂しかったのは参列者が5人だけだったことです。和歌山市から3人、大阪市から1人、京都市から1人だったので地元として寂しい思いがありました。
ただ神様は良くできたもので、自分のために人が集まって欲しいとも、お祝いして欲しいとも思わないそうです。みんなでお祝いして欲しいのは秋の収穫祭の時だそうです。自分のことではなく、みんなのためになることをみんなでお祝いする。そう願っていると聞きました。素晴らしい学びだと思うので見習いたいと思います。
中国が進めている一帯一路。これは中国と共に賛同する国との間で自由貿易を行うための国家戦略です。中国国内において消費者に安全で品質の良い商品を届けることを目指しているので、ニセモノや粗悪品は市場から締め出すことを目指しています。
そのためには一商品一番号を付すことで実現が可能になります。既に北京にビッグデータセンターを設置して商品、流通などを管理するシステムが実行され始めています。
この管理システムは、消費者を守ることとメーカーを守ることにつながります。商品が安全に流通することで類似品との違いが見分けられることから企業イメージの保護や利益保護になります。
このように安全な市場と自由貿易システムを構築することで、中国は世界のリーダーを目指しているようです。自由貿易システムが確立された後にメイドインチャイナの信頼を確立させ、中国製品は品質が良く安全であることを世界に知らしめること。一帯一路の目指しているところです。
こんな中国人の考え方は前と後を見ていることに尽きます。日本人は右と左を見ていますから考え方は全く違います。中国人は前を見ていますからリスクを取りますが、日本人は横並びを見ていますからリスクを取りません。
そのため取引現場の様子は全く違います。中国人は一対一で取引をしますから、責任者同士の場合が多く、即決断を求められます。それに対して日本人はN対Nで協議を行いますから1人で決断しないのです。これではビジネスで勝ち目はありません。リスクを覚悟すること、即決断すること。日本人にはこの教育と訓練が必要です。
また中国の方から「日本人は交渉力と営業力で中国人に劣ります。今は技術力がありますが、技術力を磨いているのは日本だけではありません。中国も各国も技術力を高めていますから、10年後、メイドインジャパンがナンバーワンかどうかは分かりませんよ。そして中国人は英語ができますから外国語ではありません。だから第二外国語は日本語などを学んでいます」と話がありました。
十分に気を引き締めていきたいと思います。
夕方から大阪市内の市長、大手病院の医師と懇談会を行いました。今後の為になるたくさんの話を交わすことができました。
一流の人が周囲にいないと話す人がいますが、それは自分が一流ではないからです。一流の人の周りには一流の人が集まるものです。良い仕事をしたければ一流の人の中ですべきですから、一流の人が集まる環境を自ら作り出すことが求められます。
前方の利、側方の情、後方の恐。中坊公平さんの言葉です。利得が前面にありますが、そこには情が必要です。利得と情、そして決して外に出したらダメだけれど「私には恐もあるぞ」と分からせる必要があるという教えです。
一期一生。大手術を担当した医師と患者さんとの付き合いは一生続きます。患者さんと一生付き合う覚悟がなければ医師として良い仕事はできません。
行政は情でできているので、決して利得で動かせるものではないのです。時に市民の方の要望を叶えることが、条例などで決まっていることで適用できないケースが発生します。
そんな時、行政に情がなければ市民と向き合えません。条例などを改正する力は情から発生するものです。条例などのルールは利得で変えるものではありません。このように行政は常に情で動きます。
同じように議員提案も情が基本です。特定の人の利得になるだけで、そこに情がなければ議会で取り上げることは難しいのです。困っている人、困っていることを改善するために議員提案には情が必要なのです。
AIは経験値からできていますから、経験値が劣る人が勝つことはできません。1人の医師が数千件の手術経験があるとしても、AIは過去からの数億件の事例を記憶させていますから、手術を失敗する確率は極めて低くなります。医師は予想力、予測力、不測に対応する力が必要で、これらの分野こそ人が勝てる能力だと言えます。
手術には勘所があります。そこが分かることが経験でありセンスなのです。勘所がわからない医師はいつまでも一流にはなれません。仕事も同じで、勘所があります。それが分かる職員さんは先を読めますから、リーダーが必要な資料、データの提出を指示しなくても必要な資料は出てきます。