「太陽が昇る方角は敬う対象の人が向くように立ち位置を考えて下さい」という話を聞かせてもらいました。ですからお墓参りをする時は、お墓が東を向き自分が西を向く立ち方をすることになります。古代から太陽が昇る方角に向かってお祈りをしているという話なので、日本では東の方角に向かってお祈りをするのが習わしだそうです。
そして「お墓に草が生えないようにして下さい」というアドバイスもいただきました。ご先祖様を大事にしている人は繁栄するそうです。
ある人のところで留学生を受け入れた話を聞きました。3名の留学生が和歌山県に来たので、この人は「どうして和歌山県に来たのですか。日本には東京や大阪、北海道や沖縄などがあり人気が高いのですが、皆さんが和歌山県を選んだ理由を教えて下さい」と尋ねたそうです。
そうしたところ3人とも「先に日本に留学した先輩から『和歌山県は素晴らしいところです』と聞いたからです。和歌山市は自然がきれいで、しかも都市部と自然が隣接しているので都市機能が高いこと。そして和歌山県の人は親切で優しいと聞いているからです」と答えたそうです。
この先輩を受け入れた和歌山県人が素晴らしかったこともあるのでしょうが、和歌山県が高い評価を受けていることを嬉しく思います。都市と自然が近くで共生していること、人柄が良いことが留学先に選んだ理由なので、私たちはこのことを失わないようにしたいものです。
この人は留学生の和歌山県の評価を聞いて「和歌山県への愛着と誇り」を感じたので、この話をしてくれたのです。外国人から和歌山県の良さを教えてもらうことになりましたが、気づくことが大事なことなので誰に教えてもらったかは関係ありません。故郷の良さと誇りに気づかないでいることが問題なのです。「故郷の良さに気づいていない人が多くないか」。考えてみたいことです。
日本には型を重んじる文化があります。型が定まっていると綺麗で、見る人を魅了します。芸術やスポーツなど全ての基本を型と言いますが、その語源は神社にあることを聞きました。神社に参拝する時の作法があります。作法を守って参拝する姿は綺麗で「心得ている人」に見えますが、その神社の作法を型と言い、そこから日本文化は型を大事にする文化であることに発展していったそうです。
だから神社に参拝する時や行事で神社を使用させてもらう時は、最初に型通りお参りすることが基本です。何事も基本ができていると綺麗なので、行事に際して最初に型通り参拝する姿があると、それを見ている人は「型ができている」と思うのです。
勝負であれば勝ち負けは成果を図る指標となるので大事なのですが、作法ができていなければ勝っても意味がありません。逆に勝負に負けたとしても、型ができていれば人格が磨かれていて綺麗なのです。
またイベントで祭りと名前がついているものがあります。この祭りは神社への「祀りごと」から来ているものなので、型ができていないで遊ぶだけの「祭り」は、正式には祭りとは言えません。型を大事にしたイベントが「祭り」を名乗れるのです。
若い人たちに神社での作法、つまり型を教えることは、その人が将来、式典などの場で綺麗な姿でいられるかどうかを左右します。型を身に着けることを大人が子どもに教えることを心掛けたいものです。