中国が国を挙げて政策として推進しているのが「一帯一路」です。本日、関係者と「一帯一路」の動向に関する話を聞かせていただきました。「一帯一路」を実現するために必要なものが、国家追跡管理システムだそうです。
流通商品を事前に登録しておくことで輸出入貿易、百貨店、小売り、物流などにおいて製品の統括管理がされることになり、製品生産、保管、輸送、販売、サービス、管理などの情報処理を統一することが不可欠となります。この国家追跡管理システムに関しては2017年6月8日に北京で発表されていますが、内容に関してはわが国においてあまり知られていないようです。
そこで平成30年6月8日、「一商品一番号追跡管理フォーラム」と中国国家戦略「一帯一路」政策紹介の発表会が開催されることになりました。日本での本格的な取り組み開始に備えて中国駐日本大使館、経済産業省、経団連などから関係者が出席しての発表会となります。
これに先駆けて政策紹介発表会の内容とシステムの説明を聞かせてもらったものです。まだ公表できない内容もあるため詳細の記載は控えますが、中国との輸出入のあり方が劇的に変化をもたらすことになります。既に中国と「一帯一路」の政策を推進している国とはこの「国家追跡管理システム」の運用を開始しているので、日本においても同様のスタイルを追従することになると思います。対中国との輸出入において国もそうですが地方都市も後れを取らないようにしたいと考えています。
参考までに「一帯一路」の解説は「2017年知恵蔵」が詳しいので以下引用します。
「中国の習近平国家主席が提唱・推進している経済圏構想。略称はOBOR(One Belt, One Road)。中国を起点として、アジア〜中東〜アフリカ東岸〜ヨーロッパを、陸路の『一帯』(シルクロード経済ベルト)と海路の『一路』(21世紀海上シルクロード)で結び、ゆるやかな経済協力関係を構築するという国家的戦略である。経済政策、インフラ、投資・貿易、金融、人的交流の5分野で、交易の拡大や経済の活性化を図ることが狙い。このうち高速道路、鉄道、港湾などの交通インフラ関連は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)を始め、各地で大規模プロジェクトが着工している。経済圏に含まれる国は約60カ国、その総人口は約45億人で、世界の約6割に相当する。」とあります。
また平成30年4月16日、河野大臣が第四回日中ハイレベル経済対話の中で「一帯一路」についての談話を発表しています。外務省の臨時記者会見の内容から引用します。
【河野外務大臣】一帯一路,自由で開かれたインド太平洋戦略につきましては,昨日の外相会談でも少し話題に上りましたが,日本としては国際的なスタンダードに沿った形での様々なプロジェクトについて,ケースバイケースで協力していくことを十分に考えられるということと,第三国における日中間の協力というのをしっかり進めていこうと,そういう話を致しました。日本側からはこの法の支配に基づいた自由で開かれたインド太平洋というのは,中国の一帯一路にも資する話だということを申し上げました。
【記者】一帯一路について日本はケースバイケースで協力できるということを日本側から伝えたということですか。
【河野外務大臣】国際的なスタンダード,透明性ですとか,開放性ですとか,プロジェクトの健全性,あるいは融資を受け入れる国の財政の健全性,環境社会配慮,こうした国際的に確立されつつあるスタンダードにしっかりとマッチしているプロジェクトについてはケースバイケースで日本も協力を考えられるということは申し上げました。
一帯一路に関しては実現に向けた動きが出始めています。
和歌山市に建設中の和歌山南スマートインターチェンジに関して進捗状況を確認しました。平成30年度中の開通を予定していますが、和歌山県の工事も含めて順調なので、現時点で予定通りに開通することになりますと言えそうです。
和歌山市東南部にインターチェンジが開通することで、この地域の利便性が飛躍的に良くなると共に、現在の和歌山インターチェンジ周辺の慢性的な渋滞緩和にもつながると考えています。
地域に及ぼす効果を期待しながら開通を待ちたいと考えています。