片男波にある8の字公園内の公衆トイレは、きれいに保たれていることから評判になっています。もう16年間も一日も欠かさず地元の皆さんが清掃と維持管理に努めていることから美を保ち続けているのです。トイレの美化活動は今年で17年目に入り、継続することの力の大きさを感じることができます。
この8の字公園のトイレは平成13年4月に完成していますが、地元の皆さんがこのトイレを美化するために「8の字会」を設立し、以降16年間、一日も休むことなくトイレ掃除と管理を行っています。
これだけでも凄いことですが、さらに凄いことは清掃当番の人が毎日「清掃活動日誌」を書き、「8の字会」会長がコメントを記しているところです。16年間も継続して日誌を書いていることは、それだけで尊敬できるものです。
自分に置き換えてみて下さい。16年間も日記を書き続けることがどれだけ困難なことなのかは容易に想像できます。日記を毎日書き続けることの難しさは小学校時代に味わっている人もいると思いますが、日記を書き続けている人はそれだけで尊敬できる人だと思います。
トイレ清掃の日誌を毎日書き続けているこの会の活動は、それだけで称賛に値します。毎日の清掃と日誌とコメントの記載など、活動を実施すること、続いて成果を確認すること、そして歯止めをかけることのサイクルが確立しているので、この役割分担と全員参加のしくみが、美しさを維持する秘訣だと思います。
人はきれいなモノを大切にします。きれいな場所はきれいに使用します。きれいな言葉遣いはきれいな言葉を導き出してくれます。きれいな心の人が集まる場所には、きれいな心の持ち主が集まります。
これらと同じように、きれいなトイレだと人はきれいに使用します。きれいはきれいの連鎖を招きますから、地元の皆さんの活動ときれいな心によって、この公園の公衆トイレはきれいに維持されているのです。
そんな活動の中から「美は美を守り美をつくる」という言葉が生まれ、今では活動の拠り所であり合言葉になっています。
この活動について「8の字会」会長から話を伺い、月刊誌「生活と環境4月号」をいただきました。特集「都市公園を見つめ直す」の中で、事例研究として「美は美を守り美をつくる−16年間、休まず行っているトイレ清掃活動」が取り上げられています。
話を伺った後で、冊子を拝読したところ、地域を愛する想いと熱意が伝わってきました。この想いと熱意こそが行動へとつなげる原動力となり、継続する力へと発展していると思います。
この特集記事の最後に、会長の思いが言葉で記されています。
- 公衆トイレの清掃を続けられるのは、そこに「美しさ」があるから。
- 一日も休まずに継続できるのは、その「美しさ」を守ろうとする思いがあるから。
「美しさ」が行動の鍵になっていますし、「美しさ」は誰かによって与えられるものではなく、自分達で作り上げるべきものであることが分かります。
少し事例が違いますが、「自然も人が管理することで『自然らしさ』と『自然の美』を保つことができる。もし自然を大切にということで人が維持管理しないで放置しておくと自然は荒廃する」という話も聞いたことがあります。
「美しさ」も維持し守るものであって、全てではないけれど、放置しておいて美が保たれるものではないと思います。
トイレの美化活動の事例を聞いて学ぶべきことがたくさんあります。時間を割いていただいた会長に感謝しています。
スケボー練習場設置を応援するイベントについて話をしています。行動することで動き出すものがありますから、「スケボーを応援しよう」と思う人達が集まってイベントを開催してくれることに感謝しています。主体となる人の行動と共に、支援する人達の広がりが大事だと思います。